100702.jpg

木造建築は水との戦いだ。

自邸は築14年になるが、7年前ほど外部にベランダを張り出した。屋根もなく夜露にさらされたレッドシダーのベランダは構造部が劣化し始めていた。それがきっかけで外部の木部を徹底的に改修することにした。主にベランダ2カ所と窓廻りの額縁を改修するのだ。

100702-00.jpg
元々の日本家屋には外部を活用するような夜露にさらされるような状態での木造技術は無い。基本的に雨や夜露をしのぐ庇の下での技術がほとんど。吹き込む雨はしかたないとしても、毎夜の夜露にあたる部分は日本家屋の優秀な大工にもそのノウハウはないと考えた方がよい。今回の改修工事でそのことを知った。大きな失敗である。プロがプロたるゆえんは今回のような失敗をどれだけ経験として持っているかだろう。7年前につくったベランダがそれを教えてくれた。

100702-01.jpg

上の写真はベランダ構造部の出し梁と桁の接合部が痛んでいる。これは日本家屋特有のほぞ組をしているから痛みが早かったのだ。日本家屋は柱や梁などの接合部を組み木のようにほぞ組をする。雨の当たらない場所ではとても優秀な技術だが、水が回るような場所ではNGだ。組んでいる部分に水が回ると抜けにくく、そこから痛みが始まる。ほぞをつくらず材料と材料を接合しボルトナットで組み上げるのが良い。それも水に強い材料で組み立てる。ウリン、セランガンバツ、マニルカラなどの南洋材を使い、鉄骨を組むように接合するのが良い。(と今回あらためて知る)

100702-03.jpg

もう一カ所のベランダは築14年。新築時SPFで組んだベランダ。材料的にはSPF(スプルス・パイン・ファー)は、ツーバイフォーという工法の基本材。加工性に優れているが、水に弱くウリンが鉄骨としたら、SPFは草みたいなもの。そのSPFのベランダが14年経ってそろそろ上に乗るのが怖くなってきた。しかし、7年ほど前その直上に屋根をつくったために意外と腐らず持ちこたえてきた。今回解体した状態を見ると、床材のデッキの真下にある部分はほとんど劣化していなく、水のあたる部分が劣化していた。また、こちらのベランダはまったくほぞ組はなく、材料と材料を組み合わせて造っているだけなので劣化もあまり進んでいなかった。水がたまりやすいデッキ表面のビス穴が腐っているにとどまっていた。構造部分は意外と力がありきれいな状態だった。やはり夜露をしのぐ工夫とほぞ組をしない作り方が、草同様のSPFでも耐久性を上げていたのだろう。

100702-02.jpg

自邸を設計し、住んで学ぶこと。改修して学ぶこと。たくさん。多くの失敗は明日に生きる糧となるのだ。

●2010年06月19日(土)

平塚・風の建築が完成。引き渡し完了。リフォームか新築かという話があってから1年強で完成にこぎ着けた。小粒でぴりりとした良い建築になったと自負。温暖化あるいは高温化するといわれる地球かつ日本で設備に頼らない建築的な工夫で夏を乗り切れる方法はないかと模索している。そのコンセプトを具体化したすまいである。私の中では第3プロトタイプだ。参加してくれた工務店、監督、大工、それぞれがみな良い建築を造るという姿勢がぴりっと感じられて良い建築になったと思う。夏を迎えるのが楽しみな住まいの完成である。

100702-04.jpg


●2010年06月24日(木)

逗子・風の建築。上棟式。企画・基本設計を担当した当社が上棟式に参加した。工務店は地元のハウスビルダー。私も隣町。久しぶりに歌が飛び交う盛り上がった上棟式となる。事前の案内に「飲むなら車で来ないでください」と。おっ。やる気だな。と感じていた。そのビルダーの上棟式は初めてだったのでいろいろと興味深い式となった。ひととおり挨拶が終わり、宴が始まると本格的な宴会の模様を呈してきた。やっぱり社長ののりの良さと地元であるフットワークの良さから、次第に飲めや歌えの盛り上がりとなる。久しぶりだ。飲酒運転の取り締まりが厳しくなってから形ばかりの上棟式になってしまった。飲酒運転は良くないことなのでそれはそれで良いのだが、上棟式に水を差すような結果となっている。地元のビルダー、地元の設計者ならではの上棟式なのだと感慨にふける。

100702-05.jpg



▼ コメントする

▼ 参加しています

        サンスケ参加バナー
        設計事務所情報提供サービス
        全国建築設計事務所一覧       
   

▼ サイト内検索                複数キーワードは半角スペースを挿入