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・2013年01月08日(火)
静かな年明け。粛々と構造検討を繰り返す。ポイントは、不等沈下の抑止、建物傾斜の修正、構造強化、空間の再構成。これらを現実的な予算で可能なようにスタディを繰り返す。現状の構造体があらわになったことで、より現実的な計画となる。


・2013年01月23日(水)
不等沈下の抑止は、2種類候補が挙げられた。まずは、薬剤を基礎下に注入し地盤を固める方法。これは、四角い土地の2辺が石積み擁壁で隣地が低いため、土中への薬剤圧入で石積みの隙間から薬剤が染み出てくる可能性がある。染み出てくるだけではなく、石積みを壊してしまう可能性も大きかった。費用的にはかなり抑えられるため、かなりしつこく可能性を探ったが最終的には見送られた。次の候補は、支持地盤まで鋼管を入れて直接建物を支持するというもの。これは従来から盛んに行われている工法なので信頼性は高いが、大きな重機が入らない既存家屋の中での工事であるためハードルが高かった。それと予算も薬剤注入の2倍程度までアップする。が。工事の可能性を探ると、小さな重機を家の中に入れ、2m長さの鋼管を溶接しながら10m以上圧入していくことが可能だと判断された。クライアントに2種類の地盤強化方法を説明し、鋼管杭による沈下抑制が採択された。


・2012年02月12日(火)
1月末、無事に施工者の請負契約も済み、本格的にリノベーション工事が始まった。まずは、鋼管杭工事。2mの長さの鋼管杭を溶接しながら、約14m下の支持層まで回転圧入していく。なんと1本あたり6回も溶接しながら、35本も打ち込む。気が遠くなるような縁の下の工事が始まった。


普通の木造2階建ての玄関から入ってきたミニユンボ。1階の床下に鋼管杭を回転圧入してゆく。

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2mごとに溶接。1カ所あたり、6回も溶接。

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2mの杭。14m×35箇所分、合計245本。すべて50m以上離れたところから車が入らないために手運びされてくる。

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いろんな埋設物をかわしながら、予定本数、予定長さを打ち込むことができた。この上に耐圧盤を造り建物を乗せるのだ。



次は、傾いた建物を起こす揚屋工事に進む。





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