そこはまるで「投票所」か「お化け屋敷」のようだった。福岡の友人に勧められてラーメン「一蘭」にいった。大型の典型的なロードサイド店舗がぎっしりと立ち並ぶ中にひっそりとそれはあった。外から店内の様子はうかがえないので、何も情報を持たないで入るには相当勇気がいる店構えでもあった。しかし、シンプルで清潔ないい感じの店構えでもあった。
繁盛店なのだろう、午前9:30だというのに、ひっきりなしに常連さんらしき客が吸い込まれていく。店に入ると「らっしゃい〜!」というかけ声は無く、店員の気配すらなかった。おもむろに、無人の場所で券売機に向かい料金を支払う。その脇にお化け屋敷のような「入口」「出口」のサインがあった。
入り口を入るとそこにも店員の姿はなく、暗くひっそりとした選挙の投票所だった。個別に仕切られたカウンターに座ると投票用紙があった。自分のラーメンの好みを書き込みそれを申告するのだ。味の濃さ、あっさりかこってりか、麺の固さ、ネギやチャーシューの量。結構細かく、指示事項があった。
書き終わり前ののれんの下に置くと店員がやって来てチェックしていく。仕切られたカウンターに座るとそこに見えるのは、仕切とのれんのみだ。のれんの下の隙間から、店員の動きが少しだけ感じられた。その先を覗いてはいけないようなミョーな気持ちになった。しかし、ラーメンが出てきたあとは見事に味に集中できた。
店員や他のお客への雑念が全く入らず、味に引き込まれていった。追加の注文は、箸袋にあるチェック項目にチェックを入れてのれんの下の置く。するとスルスルと店員がやってきて、注文終了となる。あまりにも他の視線を感じないために、無言で替え玉2丁を追加してしまった。
なんとも不思議な店なのだ。味は醤油とんこつで、横浜家系ラーメンのスープに近く、私は好きな味だった。今秋10月、東京六本木に支店をオープンするという。このスタイル東京で受け入れられるかどうか楽しみである。
お気に入り度:★★☆☆☆(現在不明:★5つで満点)
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