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新品の薪ストーブネットオークションに初めて出品した。
動機は不純である。なんとかして釣り道具をレベルアップしたかったのだ。「弘法は筆を選ばず」らしいが、「へぼは道具に凝りたがる」のだ。

電動歯ブラシ家中を見渡した。寝ている物はないか。出番を待っている物はないか。お宝はないか。くまなく見渡して、金目の物を探索した。普段、しまってある物は突然さがしても記憶からはずれてしまっている。ようやく20品程度の物がノミネートされた。
「これ、いらないよな。」
「うれるかなぁ。」
「俺だったら、かわないなぁ。」
「だから、売るんだよ。」
「こんなものもあったんだぁ。」
「これは絶対うれるよ。」

ペットトイレ独り言や二人言をぶつぶつ言いながら出品。落札状況を把握するために全て同じ時間帯に落札時間を設定した。これが大きな間違いの第一歩だった。出品したことのある人は、ピン!とくるはずである。一度に、全ての入札状況をチェックできる利点を選んだのである。それはそれは、エキサイティングなひとときだった。

マックのキーボード100円スタートのものが、終了時間間際、1000円、2000円とセリあがっていく。お陰様で、20品出品した物の8割程度、買い手が付いた。嬉々として喜んでいた。私もオークションで落札したことが数回あった。落札したら、すぐにお金を振り込んで、すぐに商品を手にしたい。買い手というか、消費者の心理である。「それください。」と言ったと同時に手にしたいのである。見たいのである。手にしたいのである。

コンピューターソフトネットオークションは、ヨーロッパでのウインドーショッピングに通ずるものがある。ヨーロッパでは、閉店したお店のウインドーを見て歩く習慣がある。いつかは買おうと心に決めて、毎日毎日売れてしまっていないかどうか、そのウインドーに行って確かめる楽しみ方がある。いざその時が満るまで、毎日毎日通い続けて、楽しむのである。

釣りビデオ売り手も買い手もせり上がっていく状況を毎日毎日、おおいに気にして見ているのである。タイミングを見計らって、ここぞ!という自分流の合わせのタイミングで狙った魚を掛けるのと全く同じ感覚だ。買い手の心理は、生まれてこのかた長年体験してきただけに、落札者の心理は痛いほどわかった。
はた?おおおおおおーっ!と気が付いた。

ペットのみ取り器この膨大な落札者に対して、御礼のメールと発送の段取りを速やかに行わなければならないのだ。それが礼儀であろうし、ショッピングの醍醐味であろうし、ああああ・・・と気が付いたのだ。ズボンを試着して「すそ上げ完了は3日後です」「ええ!じゃあいらないです!」と言ってきた、わたくしとしましては、いかんともオークションの売買段取りを速攻で仕立ててしまわなければ、気が済まなくなってしまったのである。

料理用はかりオークション終了翌日の本日一日は、あれやこれやとせわしない一日でございました。
しかし、思いもかけない有意義な一日でもありました。

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