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このすまいは、静岡県浜松市から東へ約20Km離れた新興住宅地に計画された。
空っ風で有名な遠州灘からも5Km北に位置し、風が強いことも特徴だ。

まだ若い建て主夫妻は、当面夫婦二人と大型犬1頭で生活を始め、将来的には子供1〜2人程度の家族変化に対応可能な、質実なすまいを求めた。
機能の整理と予算・面積配分を検討した結果、平屋で十分予条件を満たすと判断。
しかし、周辺は2階建ての住宅がほとんどであり、総合的に判断すると平屋では快適な生活は望めない。

そこで、そっくり平屋をピロティに乗せ豊かな生活を探る。
構造設計者と協議を繰り返し、地震力で静岡用地震地域係数による必要耐力の2倍、風圧力で1.5倍の壁量を持たせることで、来るべき東海地震に備えることにした。
また、冬季のダイレクトゲイン、夏期の日よけを考慮し、深い庇をもうけ、十分に自然の恩恵を受けることを採用する。

1階ピロティは、アウトドア好きの夫妻にとって、雨に濡れずに道具を出し入れできる車庫スペースとして、薪のストック場所として大いに活躍する場所となるだろう。
もちろん、家族変化に対応しきれなくなった場合、1階ピロティを内部空間に取り込み増床することもいたって簡単である。

今後、末永く住宅密集地におけるピロティがもたらす豊かな生活の経年変化を見まっもっていきたい。


■ 物件概要

設計・設計監理:(株)生活空間研究所 一級建築士事務所 佐山希人 鈴木香住
構造設計   :高橋建築設計事務所
構造     :地上2階木造軸組工法
設計期間   :2002.02〜2002.07
施工期間   :2002.08〜2002.12
施工・施工監理:松下工務店(島田市)

● デザインコンセプト

『怪しい居酒屋』

● このすまいの特徴

犬猫との暮らしピロティ近くの山の木を使おう薪ストーブ船舶用照明丸太庇囲炉裏電化住宅


▼ 闇夜に生活の灯りが浮かび上がる

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▼ 薪ストーブは大変優れた生活道具だ

※ 薪ストーブと囲炉裏が計画されるとデザインコンセプトは自動的に『怪しい居酒屋』に

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▼ 裸火が一日の疲れを癒す力は縄文弥生の時代から

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▼ 2階は建具で仕切ることができるワンルーム

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▼ 1階ピロティは様々な可能性を秘めている

※ 巨大ケージ(犬小屋)、雨の日のドックランとしてもプランニングされている

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▼ 電線引き込みポールは古電柱、電灯は笠付裸電球(わざわざこだわる)

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▼ 電柱の生年月日は昭和39年11月

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● プロセス・ドキュメント


▼ 犬社員春呼の友達『日菜子』ちゃんのすまいでもある

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▼ 第1回すまいづくり作戦会議。すでに懇親会模様

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▼ いくつものハードルを乗り越え無事地鎮祭を迎える

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▼ 鍬入れ(くわいれ)の儀

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▼ 土地の神々に降りて来てもらい着工することを報告する

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▼ 下小屋で大工が材料を仕込む

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▼ 上棟を迎える

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▼ 材料はすべて静岡産だ

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▼ 薪ストーブ台を建て主自ら施工する

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▼ 目地を詰めて『わりとかんた〜ん!』

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▼ 後日、壁を仕上げるが『壁は大変だった〜』と連絡が入る

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▼ 建て主と一緒に薪ストーブを設置する(大人二人でやっと動く)

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▼ ほぼすべてが完成に近づく

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