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私はここのところ、安藤明子さんという京都のシンガーソングライターに注目している。昨夜、NHK FMで「小西康陽 これからの人生」という一時間番組があった。日本の大衆音楽を引っ張ってきた重鎮たちに混じって彼女も堂々と想いを聴くものに伝えていた。彼女は、ど真ん中の30分過ぎ、五木ひろしさんのあとに登場した。小西康陽さんの愛情を感じた。

思えば、東北大震災がなければ私は南三陸町に行かなかった。南三陸町に行かなければカフェGに行かなかった。カフェGに行かなければ、彼女のうたに出会わなかった。カフェGでの彼女のライブに私がわざわざ葉山から行かなければ、彼女の唄の魅力に取り憑かれることはなかった。全ての発端は、311なのが皮肉だ。そんなカフェGのマスターも昨年「小西康陽 これからの人生」で安藤明子さんにたまたま出会わなければこんな展開になっていなかったはず。311で安藤明子さんごと自宅をすっかり流されてしまったマスターの元に、埼玉の丸山さんから「小西康陽 これからの人生」の収録CDが送られてこなければ...。いろんな赤い糸が折り重なってそれぞれの現在がある。不思議だ。どれが一つ欠けても現在とは状況が変わっていたはず。

私が今の彼女にやられている状況を受け入れているのは、彼女からクリエイトすることを教えてもらっているからだと。安藤明子さんってどんな唄をうたう人ですか?と問われると「フォークシンガーですかね」と答えている。そうすると、そうですか...。で終わる。それだけでは伝わらないのは知っていてぶっきらぼうにそう答えている。それは、どんな立派なセールストークを並べようとも、その彼女の唄の力は伝わらないことを知っているから。しかし、一度生の声に触れると感じてしまう彼女の魔力。その魔力から「クリエイトすることって、自分を絞り出すことだ」と教えられた。自分のやり方で自分を絞り出すこと。それが創造すること。私の建築にも大きな影響を与えるだろう。もう一度、自分を絞り出すことから建築を再構築してみたい。そんな影響力を彼女は持っているのだ。311が無ければ、こんな機会に恵まれなかった。


"こんばんわ。シンガーソングライターの安藤明子です。普段私はアコースティックギターと一緒に弾き語りをしているのですが、今回は初めて唄をアカペラでうたわせていただきます。5年ほど前にとても長く生きたおじいちゃんのことをイメージして創った「いしころ」という曲をどうぞお聞きください。いつかまたお耳にかかれる日を楽しみにしています。"



【安藤明子 東日本ツアー概要】

日時:2011.11.18(金) 19:00〜
場所:宮城県南三陸町 「カフェG」(珈琲神社)
チャージ:ワンドリンクオーダー+投げ銭

日時:2011.11.20(日) 19:00〜
場所:神奈川県葉山町一色 「一色会館」(森山神社境内)
チャージ:ワンコインワンドリンクつかみ取り+投げ銭

お問い合わせ:佐山建築研究所
                  佐山まで 090-3337-7359 
                             m.sayama@mac.com

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