クマコラム
19990319
昨日に続き「職人」永六輔著から。
「五十年単位ですかねェ。山の仕事はねェ。国でも守りきれるもんじゃありませんよ。山は輸出も輸入もできないんですから。山では暮らせませんねェ。」
「田舎の人は木に詳しいから切り倒す。都会の人は木を知らないけど守りたがる。」
先日、厚木の山に木を見に行った。おじいさんの代にそこの所有者になったと案内してくれた山主がいっていた。
子供の頃は山でよく遊んだとのこと。
その山主のあとに見学者が続いた。
バサバサと行くてを阻む木をナタで伐って進んだ。
「あんなに伐っていいのかしら」とコソコソきこえる。
直径5センチはあろう山椒の木が行くてを阻む。
「これはすりこぎにするととってもいいよ。香りがよくってさ。」と家族分サービスしてくれた。
みんな目を輝かせていた。
歩き終えたあと、「今年は、これで三回目の山歩きだ。こんなことめったにないことだ。よっぽど放っておいたんで山の神様が呼んだんだかなぁ。」と山主。
たいそうなことはできないが、できるだけ日本の、それも近県の材料を使っていきたいと思っている。
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