クマコラム
19990324

京の民家。初版発行、昭和37年8月16日。私は昭和36年生まれだ。
なぜか私の手元にその当時の本がある。
葉山に越してきた時、夏の別荘に使っていた民家を借りた。
そこには、おびただしい建築・美術関係の本があった。
本は、捨ててもいいという大家さんの言葉に甘え、吟味しながらほとんどフリーマーケットに出してしまった。
京の民家は、なぜか手元に残った一冊だ。
古きを訪ねて、新しきを知る。
今の自分を予期していたのかはわからない。
知りたいことがいっぱい詰まっている。
私一人では出会わなかった本が今でもたくさん残っている。
最近、縁を感じている。葉山。木、風、犬猫の我が家に一番最初に訪問してくださったのは、その夏の家を私に貸してくれた大家さん家族なのだ。
医者のご主人は戦時中建築家になりたかったのだそうだ。
そのご主人の蔵書を私が今蔵書にしようとしている。やはり縁なのかもしれない。ありがたい。

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