クマコラム
19990401
私の好きなミュージシャンにトム・ウェイツがいる。
都会で生きるために深夜のバーで皿洗いをしていた。
バーが終わったあと人気のない店で毎晩朝まで曲を作っていた。
自分の生きる道を探していたらしい。
思うようにならない人生を曲に託して。
あきらめず、卑屈にならず、夜の裏町に生きるどぶネズミのような自分を信じて曲を作っていた。
彼の曲には素直に自分を表現する部分があるから私は好きだ。
夜の都会の裏町を歌わせたらアメリカで一番だといわれるまでになった。
最近彼の消息を聞かない。どうしたのだろうか。
私の中の彼は、LP「クロージングタイム」の吸いがらでいっぱいになった灰皿が置かれるピアノの前でうなだれる午前3時23分の姿しかない。
自分ができることを精一杯やっていたしわがれ声の等身大の彼が大好きだ。
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