クマコラム
19991111

先日、京都南インター近くのラーメン屋で遅い昼食をとり、一路東京を目指して名神高速を走りはじめた。
覆面パトカーに気を付けながら、オートクルーズを120km/hに設定していた。
前を走る車が迫ってくるとたいがい進路を譲ってくれる。
そのたびに後ろをチェックして覆面に気を使っていた。

ふと、気がつくとフォグランプを点灯させた一台の車がぴたっと後ろについた。
ようく注意してみると覆面ではなさそうだ。
覆面でない車がこちらのスピードに合わせて後続してくれるのはありがたい。
うしろから隙を狙ってパカパカやってくるパトカーにこちらが捕まる確立がひくくなるからだ。

しばらく、その状態が続いた。
後続車は隙を狙って、追い越すつもりなのだろうがそのチャンスはなかなか無かった。
右車線がつながっていて、一瞬、左車線がとぎれた。
その瞬間、後続車はさっと車線を変え、こちら横浜ナンバーの前に躍り出た。
その車は京都ナンバーの黒だった。

ふと気を許すと黒京都と横浜の間にトラックが2台入ってきてしまった。
トラック達は重そうな体をうんうんうならせて横浜の前を走っていく。
しかし、遅いのだ。
しばらくして2台とも左車線に進路を変えたときトラックたちの前に車は1台もなかった。
やれやれと思いながらまたオートクルーズをセットした。
その一群を抜け出し、前を走る一群をとらえたとき、最終車は黒京都だった。

20分ほど、トラックの後に付いていたのだが、そのロス分を取り戻したらしい。よしよし。
しかし、なかなか追いついた一群はばらけることが無いようで、仕方なく後続していた。
とその時、何を思ったのか黒京都は左車線にひらりと車線を変え、横浜を前に出してくれた。
不思議だなとおもいつつ、追い越した。
それから、横浜の前走車へのプレッシャーがはじまった。
すると黒京都はこちらにぴたっと後続してきた。
しばらくして、前が空くと京都は「おおきに!」とでも言いたげに追い越して走り抜けていくのだった。

こんな事が、4度ほど続き、静岡を抜け裾野あたりに来る頃には、お互いに息があっていた。
箱根の峠をすぎると車は群をつくらなくなった。
右車線をこちらは一定速度で走っていたので、それ以上の速度の車はこちらを簡単に追い抜いていった。
しかし、京都は追い抜くこともせず、横浜の後ろや左をうろうろしていた。
なついたのだろうか。まるでランデブーのようだ。
黒京都を意識し始めてから5時間ほどたっていた。
その間、黒京都を意識することで全く退屈じゃなかった。

最後は横浜が秦野中井でおりることでさよならとなった。
それにしてもパカパカに出会わなくてよかったよかった。

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