クマコラム
19991229

2000年は、木と土と裸火の再認識元年なのだ。

先日、仕事でビジネスホテルに一泊した。
翌朝、のどがからんからんに乾ききり、ぐったりとカラダがだるい中、目が覚めた。
最新のコンクリートボックスと空調設備機器の中で快眠できず、ぐったりとしてしまった。
無垢の木々と薪ストーブで生活しているクマにとって、そこは最新機器地獄だったのだ。
体感するとあらためて自然素材の良さがしみじみ伝わってくる。

コンクリートや鉄が建材に使われるようになってたかだか数世紀。
木造と焚き火を主としたライフスタイルは、縄文弥生の竪穴式住居から始まって数万年。
コンクリートや鉄の現代建築は、歴史の中では数%にしかすぎないのだ。
それに家電製品や空調機器が蔓延し、現在では目に見えない電磁波地獄が我々を取り巻いている。
網の目に張り巡らされたコンクリートの中の鉄筋が、電磁波とどう関わっているのか考えただけでもぞっとする。
電磁波を押さえているのか、増幅させているのか、見えないだけに恐いモノがある。

むかし、子供の頃、林間学校で大きなキャンプファイアーを取り囲み、肩に手を回しみなで歌っているとなぜか涙と感動がこみ上げてきた。
今でも、自然の中で焚き火を前にすると語らなくてもしみじみと豊かな時間を過ごすことができる。
Y2Kで、薪ストーブや炭が売れているらしい。
暖をとる機能性だけでこれらを評価再認識するのは、もったいない。
裸火は暖をとり、かつ調理するという優れた機能を持つだけではなく、心身共に癒してくれる最も優れた「癒しのともしび」なのだ。
縄文弥生の時代から。

利便性と経済性と機能性を最優先で追求した結果が、現在のライフスタイルとなっている。
そこには、人間の持つ本能充足、人を含めた生態系の維持、神が宿るモノの大切さは、まったく無視されている。
本能がどんどん削ぎ取られ、周りの環境を破壊し、モノが使い捨てられる時代は、もう未来がないのだ。

2000年は、やはり、木と土と裸火を基本とした神々が宿るモノづくり元年としたい。

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