クマコラム
20000125

雪が降って、喜ぶのは道産子と犬ぐらいだろうか。
今朝方、葉山にも雪が舞っていた。

子供の頃、朝目が覚めて布団の中でジッとしていると、外がみょ〜に静かなときは、きまって外が一面雪に覆われていたものだ。
窓を開けるまでもなく、すりガラス越しに真っ白な世界が広がっていた。
とにかく、静かで明るいのである。

ふとんから抜け出る頃には、親がすでに起きており、居間はストーブでガンガンに暖まっていた。
急いで、服を着て朝飯をかっこみ、アノラックと手袋とマフラーをして家を飛び出る。
長靴にきゃはんを付け、ひざぐらいまである雪をこいで、学校までの20分ぐらいを楽しみながら歩く。
す〜っと息を鼻で吸うと鼻毛が、しばしばと凍り付いた。
もちろん、口では寒くて息が吸えない。
鼻で吸った息を口で吐くと、口から出た息が、耳から頭にかけて白くなってへばりついていく。
そんな友達をみて、爺さんみたいだと笑い合いながら、学校に到着する。

下駄箱がある玄関はとても寒いのだが、教室はもうすでに石炭ストーブががんがんに燃えていた。
その周りには、ひとりも入れないほどすでに群がっていて、「お〜、さむっ」と言って手をすりあわせていた。
「おまえ、耳あかいぞ!」
「あっ!ほんとだ!やばいぞ!」
「あかく、ふくらんできた!しもやけだ!」
「やばいやばい!凍傷だ!」
みんなで、からかい、笑いに包まれていると、いつもがらがらと先生が入ってくる。

「はい!席について〜」
といつもの授業が始まっていくのである。
冬は、いつもそんな感じで、朝が始まっていった。
しかし、誰ひとりとして、凍傷で耳を落としてしまうモノなんか、いなかった。

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