●2000.04.16

実施設計も大詰めだ。
というものの、もう工事がスタートしているので、のんきに構えていられない。
明日は、Y建設工業の請負契約だ。
やるっきゃないのだ!
請負契約図面を仕上げなければ、ならないのだ!

北海道生まれの私と同級生の足立区に住む、キクチと実施図の最終やりとりを今日やることになっていた。
締め切り間際に、もがきあえぐ体質は、建築だけではないだろう。
施主の平野さんは、ジャーナリストだから、締め切りに追われて、満足できないながらも、原稿を送ってしまうことはあるのだろうなと思ってしまう。

えんえんと、メールでやりとりし、電話で意思を確認しあい、このごに及んで俺はこう思う、いやこの方がいいと思う、とお互い試行錯誤を繰り返しながら、昼から夜へといい感じで熟成する時間が過ぎていった。
はっ!と思うとマックをたたいているディスプレイから、目をちらっと上にやると、海の向こうにシラッとした夜空が、見えたのだった。

久しぶりの貫徹だった。
でも、充実した貫徹だった。
思いの丈をぶつけた貫徹だ。
積み残したものはたくさんあるけれど、取り急ぎ、契約用の図面はやり遂げた。

朝の8:00に一通り、図面にサインをし、30分ぐらい仮眠をとった。

●2000.04.17

30分が、とても短かった。

仮眠をとったあと、身支度を整えて、茅ヶ崎に向かった。
行く途中、睡魔におそわれる。
「いけ!いけ!」とじぶんに言い聞かせ、何とか行った。

気持ちが高ぶっている。
さっきまで、あーでもないとか、こーでもないとか、頭をぐるぐるに回しながら、助っ人のキクチとサポートの鈴木と明け方までやっていたのだ。
仮眠をしたけれど、頭は、動いているのだ。

自分を落ち着かせて、茅ヶ崎に着いた。
もう約束の時間をすぎていたのだが、現場が気になったので、現場によった。
すると、思いがけずY建設工業の渋谷氏がいた。(渋谷氏は、土木監督なのだ。)
山止めの現場があると、寝ていても寝てられませんとさわやかに言ってくれた。
「気持ちが入ってるぜ!こいつ!」とうれしくなり、「じゃ!」といって、平野さん宅に向かった。

今日は、元請け業者のY建設工業が、請負契約をする事になっていた。

コストダウンに関する、血のにじむ思いの設計者と請負業者のせめぎ合いの結果を平野さんに説明した。
わかっているのか、わからないのか、平野さんは、まだまだ、コストアップの案件を話してくる。
申し訳ないが、このごに及んで、だだをこねている子供のように見えてしまった、平野さんが。
であれば、代理人は施主に変わって、すまい事業を行う施主として、請負業者に指示しなければなるまい!それと、施主を指導して行かねば、この事業は転覆すると確信したのだ。

少しだけ、貫徹で、ハイになっている自分を押さえて、請負業者との契約に無事、立ち会った。

よしよし、これで、前に進む準備はできた。

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