クマコラム
20000719
何故、葉山に住むことになったのか。
考えてみた。
湘南という響きに惹かれたわけではない。
単純に海に惹かれたわけでもない。
ましてや、裕次郎やサザンに惹かれたわけでもない。
いったい何故なのだ。
私は、北海道の山の中で生まれ、毎日の遊びの舞台が山川山だった。
高校まで北海道で過ごしたあと、東京に出てきた。
渋谷の街が肌に合わなかった。
都市的な装置に惹かれる自分を見いだせなかった。
ちょっとした仕事の間隙を縫って出かける自然が心地よかった。
クーラーではなく、海山川にそよぐ涼風が肌にあっていた。
仕事は、都市にあふれている。
都市とつかず離れず暮らせる自然豊富なところは。
心地よさを求めて、休日さまよいたくはない。
日々、心地よい空間で生活を営みたい。
私の場合、すみかを定める第一優先順位はそのへんにあるらしい。
手の届く範囲に「仕事」と「自然」。
次に、文化的な刺激があるところ。
「仕事と自然」のキーワードだけでは、葉山でなくとも他の地域もたくさんある。
ある人が、美味しいケーキ屋さんがたくさんあるところは文化度が高いといった。
ある人は、「それは洋風文化度ね。」といった。
生活必需品ではないお店がしのぎを削って充実しているということ。
住んでいる人が、それを求めているということでもあるのだ。
古くから、別荘文化がはぐくまれ、有名別荘建築も多々現存する。
文化的な刺激を受けるには、最適と感じた。
さらに、3つの住民が自然に共存しているのも魅力だ。
古くから住んでいる地元のかた。
御用邸をはじめとして、別荘利用のかた。
新しく、根を下ろそうとしている外来住民。
20年来葉山に住んでいるかたでも、新参者ですからと明るく笑う。
そんな、外来ものを受け入れてくれる田舎はめずらしい。
友人から「葉山は安くていいんじゃない?」といわれたのがきっかけ。
仮に住み始めると、上記の魅力が私をとらえて離さなかった。
はや、すでに8年ほど。
しっかりと根を下ろす気になったのは、上記のようだ。
このコラムを書いている手元を涼風がいたずらしてゆく。
気が付くと虫の音が耳に飛び込んでくる。
「あっ、夏休みの音」子供の頃の情景が蘇ってくる。
▼ コメントする