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2002年3月パシフィコ横浜で社団法人全国木材組合連合会主催の国産材告知のイベント『 木と暮らすフェスティバル』に展示参加する。
我々はNPO法人「緑の列島ネットワーク」の一員として『近くの山の木ですまいを造ろう!』というコンセプトで日頃の活動を紹介した。
そのときに見学いただいたことがご縁で、お付き合いが始まり当社が設計を担当することになる。
建て主は、熱心に勉強されており、健康的な木の家を望まれた。


ご家族は、ご両親と家を継がれる建て主でもある息子さんの3人。
いずれお嫁さんを迎えることも想定し、2世帯住宅的なスタイルを検討する。
新築の時点ですべての設備を2世帯分用意するのではなく、それらを想定した空間は用意しておき、設備はお嫁さんの意見も取り入れながらリフォームすることを可能とした。
これはお嫁さんの意見も取り入れることで、同居のソフトランディングが可能になるように気を配った結果だ。


建築場所は、道路を隔てた線路脇。
建て替える前は、40年ほど前に建築された木造平屋で、電車が通ると会話ができなくなるほど音が筒抜け、室温も外気とほとんど変わらなかった(寒くて熱い)。
断熱材を古新聞が原料のセルロースファイバーとしたのだが、完成後電車の音がまったく気にならなくなったことに驚いた。
セルロースファーバーの断熱材は防音的性能も期待できるようだ。
深夜に気兼ねなく音楽を聴きたいという要望に応えるために、オーディオルームは床壁に断熱材を充填していた。

完成1年後点検に行くと、私が熱心に勧めても疑心暗鬼だった深夜電力利用の蓄熱暖房機を大絶賛。
セルロースファイバーの断熱材と相乗効果を発揮したようだ。


■ 物件概要

設計・設計監理:(株)生活空間研究所 一級建築士事務所 佐山希人 鈴木香住
構造     :地上2階木造軸組工法
設計期間   :2002.11〜2003.05
施工期間   :2003.06〜2003.12
施工・施工監理:(株)加賀妻工務店


● デザインコンセプト

『建築物理性能の高い木のすまい』

● このすまいの特徴

国産材活用(紀州材)セルロースファイバー断熱材、大黒柱、屋上船舶用照明深夜電力利用蓄熱暖房器オール電化住宅、使える床下収納


▼ 光と風の通り道

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▼ 熱と光を調整する吹き抜けに面した障子

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▼ 右奥に見えるのが使える2階床下収納(この収納の上にさらに2階がある)

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▼ 奥の床下収納の上がオーディオルーム。階下の世帯と収納空間を介して音を遮断

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▼ 床下収納から2階リビングを見る

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▼ オーディオルーム。右側に屋上を望む

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▼ 色気のある付け庇。夏冬の太陽光を調整する

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▼ 風情のある玄関庇。古くて懐かしい味わいが粋

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