昨日は久しぶりに小田原方面へ。昨年あるいは一昨年に引き渡しをしたお客様のところへ行く。1件目は大井町。薪ストーブの調子が気になっていたのでお聞きする。「杉ヒノキを燃やしているお客様が2シーズン目の今年、急に煙が逆流するようになりましたのでそのようなことはありませんか?」と。その方は自分でくぬぎ山を持っているので大丈夫ですよねと笑うと「いや。杉ヒノキを燃やしている」と苦笑い。そういえば、杉ヒノキの山も持っているのだった。針葉樹系の薪を燃やすと煙突トップの鳥よけネットにススがつまって煙が抜けなくなることもありますからと伝える。他は問題なく、毎朝どんなに寒くても17℃を下回ったことはないという。安心して別れる。

2件目は二宮町。小さなお子さんが二人もいるにもかかわらずきれいな状態。思いもかけずご主人が家のメンテナンスに積極的とのこと。1年目で外部の木部を再塗装されていた。1年目で再塗装すると次は3年目で大丈夫ですよと引き渡しの時にお話ししてもその通り再塗装をする方はほとんどいない。もっと見栄えが悪くなってから塗装するのが普通。住まいに対する愛着があるようだ。いろいろお話しを聞きながら家中を歩き回ると奥様はなんと裸足。冷たくないパインの床が心地よいらしい。ここも大きな問題が無く無事お別れする。

今日は湘南台で基本設計最終の打ち合わせ。予算がほぼ確定し、来週から実施設計をスタートする。確認申請も今週には提出。このプロジェクトは建築条件付で設計者だけ当社という変則スタイルで昨年初秋にスタート。基本計画が終わり建築予定の工務店と予算の話を進めるが建て売り主体の工務店とは話がかみ合わず遅々としていた。そんな時に工務店の担当者と腹を割って話した。「本当にこのプロジェクトを参加者全員が幸せに終えることができるのか」と詰め寄った。するとあっさり建築条件をはずしますと言ってきた。重荷だったのだろう。そういういきさつがあり常日頃お付き合いのある工務店に見積もりをお願いしようやく突破口が開けてきたのだ。本日無事に峠は越え実施設計へ突入することとなる。

打ち合わせから戻り、ほっと一息ついてTVチャンネルを切り替えていると「ジェントル・スリー」なるおぢさん3人がギターを持って画面に出てきた。ライブをやっていた。宇崎竜童、世良正則、岩城滉一。微妙なトリオだ。最年少は世良正則の51才だという。すこしびっくり。高校生の時、とても格好良く勢いがあった彼は私と6才しか離れていなかったのか。熟してきている3人が若いときの勢いとは違ういい味、熟した勢いを醸し出していた。肩に力が入っている時とは違う余裕というか音を愉しんでいる感じが良く出ていた。2時間ほど番組に見入った。建築設計は50才から本番とよく言われる。それまでにどれだけ有意義な経験を積み重ねるかでその後の作品がきまってくる。そんな通説の意味をかいま見たような気がした。それぞれがそれぞれに自分の道を歩くことで味わいが深まっているのだろう。とにかく良いハーモニーを出している3人だった。良い年の重ね方をしていきたい。元気をもらった。

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