とにかく忘れないようにしておこう。ボウビロクその2。
2007.08.13(月)。
木造2階建て。一戸建ての住宅。建築基準法第6条四号建築。確認申請を出す。神奈川県所轄の土木事務所。それまで、何度か事前に話を聞きに行っていた。「うちに確認を出すのですか?」と少々驚きを隠せない担当者。法改正前はほとんど民間審査機関に流れていたのであろう。確認申請。(こちらは_ニヤリ...である。)今年の6/20の建築基準法大改正後は、どこの審査機関に出すのか設計者の読みどころでもある。日経アーキテクチャーによると行政を含めて複数の審査機関に事前相談に行き一番早く楽におりそうなところに出すという設計者もいるとあった。やり手だな。確認申請も戦略が必要だと言うことだ。私は事前相談で「法改正以降、よくわからないので一緒に勉強するつもりでやりましょう!」と言っていた神奈川県の所轄の土木事務所に出すことにした。申請当日、分厚い6/20付けの法改正官報持参で出向く。お盆なのにご苦労様!と市役所の窓口に言われる。結果。私は分厚い官報片手に主事と同じ土俵に乗ることに成功。9/3。無事に確認申請が終了。血の通うコミュニケーションは良い建築を造ることにプラスになると実感。ここの主事はヒザをつき合わせて話すに値する人だ。神奈川県S土木事務所。(このノウハウは設計者の共有財産だと思うので明らかにするのが私の方針)
同時期。木造三階建ての確認申請書と格闘。どこの審査機関に提出するかは未定だった。探りを入れるため、構造担当者と品川区役所と某神奈川県の民間審査機関に行脚。品川区役所で熱弁をふるう。熱弁をふるっているが、頭の中では違っているかも...。と冷静に。軒高の解釈の仕方に対してあきらかに私の解釈が間違っていたと熱弁中に気がついたのだ。しかし...。と気を取り直し、横浜の民間審査機関に行く。あっさり。「軒高はこういう考え方もありますよ」で、私の勘違いをあっさり指摘してくれて万事休す。加えて、木造三階建ては「構造計算概要書」が6/20の官報でも明記されていないのでやっかいですよね〜。と。(財)建築行政情報センターに日々、実務者にとって有益な情報が出ているから見た方が良いですよ。とアドバイス。それから、毎日。チェックチェック。8月末。木造三階建ての「構造計算概要書」が例示されないまま、暗中模索で構造設計者とヒザをつき合わせて仕上げにかかる。ほぼ。納得いくところまでできたところで。(財)建築行政情報センターからひな形が出る。(がっくり)
そこには↓。
※財団法人日本住宅・木材技術センターのホームページ
(http://www.howtec.or.jp/gov/kaisei/kaisei-top.html)において、
「記載の考え方」等を追加した木造軸組構法の構造計算概要書(例)、並びに確認申請時に提出する構造計算書に必須である「応力図、断面検定比図、基礎伴反力図」の記載例とその考え方を掲載していますのでご覧ください。
とあり、私は財団法人日本住宅・木材技術センターのサイトの前にひれ伏した。
しかし、タダではおきないぞ。で。木3確認申請で重要なある書類をダウンロードした。
私はこれを「使用建築材料表」として確認申請に添付した。申請図書提出時。書類をチェックしていた担当者はそれを見て思わず『ぉぉっ』と声にならない声をだした。そこまでやったか。というスキを相手に与えたのだろうと思う。しかし、その後。追加説明書を四号建築物の申請書と同じくらい提出させられて確認申請は終了したのだ。確認申請日2007.9.10。確認日2007.10.10。一ヶ月で木3が確認申請終了。やれやれ。
基準法改正以降、融資する銀行も手を焼いているらしい。法改正以前は「確認申請がおりてからです!」ときっぱり言っていた銀行も「受付が済んだら最終審査を...」に変わってきているらしい。いろんな事情が幾重にも重なった四号建築の確認申請。こちらの事情もあり2007.10.19(金)にかけこみ提出。かけこむ朝までどこに審査依頼するか悩む。銀行との関係もあり、早く受け付けて早く審査終了するのが建て主にとって望ましい。それを一番に目論む。朝一番歯を磨きながら熟考。午前中は担当行政に持ち回る。午後所轄の土木事務所が受け付けるのならば、そこに申請依頼。午後受付NGならば、民間審査機関。と腹をくくり、Y土木事務所に電話すると「午後でもいいですよ〜」で。決まり。持ち込むと。例によってねちねちいらん話をしにかかる。だからここは嫌だったんだ。(と思ってもしたかがない)。加えて『事前相談の受付と言うことでいいかね』ときた。『いや!もうそんな事前相談なんてやっているところはないですよ!どこの審査機関も』というと『県としてはまだやってるんですのよ...』(ええええ?しかし思案する)『佐山さん?聞いたことがあるなあ〜(と何故かすり寄ってくる』『もうここ15年何度も出していますからね〜(けっ』『う〜ん...』。ヒザをつき合わして話ができるところではないと思っていたのでなんとなく確認申請を出したくなかったところなのだ。実は。あげくに朝電話して午後でも良いよと言っていたのに担当者は不在で『渡しておくよ』であっけなく終わる。事前相談提出日。10/19(金)。10/23(火)朝一番電話が鳴る。『県土木ですけど、事前相談の確認申請決済に回すから申請料払いに来てください』と。(ん?)所員を走らせると手数料を払うと決済に回すというのだ。所員が行って『早いですね』というと『そうです☆』と言うらしい。そんなに早く決済しなくても良いのにと思いながら、実質3日で決済と言うのは経験上民間審査機関含めて最短。なんたることか。もしかしたら、確認申請がおりなくて倒産する企業もあるという実情を国が考慮して「はやくおろせ!」通達を出したのかと思ってしまう。
で。10/25。おそらく今年最後の確認申請。ようやく確認申請図書が整ったので、藤沢市に四号建築確認申請を出しに行く。法改正以降4件目となると、こちらも確認申請だけは長けてくる。が。しかし。一筋縄ではいかないのが建築確認申請。夜通し、朝駆けでふらふらになりながらも市役所に着く。これからが長かった。藤沢市の場合、ある用途地域で建築高さ8M超えの場合はお知らせ看板設置の義務があった。数回経験しているが、今回の用途地域でそれが適用されることは想定していなかった。事前協議をしていたんだからもっと早くそれを指導してくれよ〜〜〜と言っても後の祭り。粛々と受け入れ。確認申請の事前書類チェックを受ける。さすがに基準法改正後4回目の確認申請となるとつぼは押さえていた。こういうように申請図書をそろえて欲しいんですよね〜。と本音かどうか知らんがおだてられながらチェックを受けていた。しかし、『申請書の副本は印鑑を押さなければなりませんね〜』ときた。『15年確認申請出していますけど、副本の申請書に赤い印鑑押せ!と言われたことはありませんよ』と。『では、ICBAの「苦情箱」か「質問箱」に投稿してみましょう』と。私。相手は一瞬ひるんだ様子を見せたが、その後は穏やかに『設計図書ははコピーでもかまわないとQ&A(_No.10)にあるが、申請書はそれで良いという記述がないんですよね〜』とニヤリ。一昔前は、基準法○条の...、施行令の○条...、告示の...、とやればたいがいの設計者はひるんでしまうのでそれで脅すのが良しとされていたらしい。今は「Q&Aの...」とやれば良いらしく。それに応えて「行政建築情報センターの2007.10.24付けのQ&Aですか?」と返せば設計者も同じ土俵に乗ることができるらしいということがよ〜くわかった。手のひらを返したように出方が変わったのを感じ取ったのである。
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