クマコラム
19990331

神々のすむ家。
昔の民家にはいろいろな神様が住んでいた。
その神々は家庭教育の基盤になっていたようだ。
遠足から帰った子供達は家の門にすむお乞食の神様に水筒の残り水をそこにすててから家に入った。
成長してからは、腐敗しているかもしれない水を捨てて、なかを乾かすことだと知る。
私の育った家には神棚があった。
毎朝必ず水を換え手をあわせる父を見て育った。
親戚の家にいくと暗くてこわい場所があり、悪戯がすぎるとそこに入れるよと脅された。
私の家にも神棚を祭った。
困ったときにしか手をあわさないが、手を合わすと神に嘘がつけない。
父の背中の無言の教育のせいだろう。
今風の最新住宅に神がすむだろうか。
日々の雑用に神を呼ぶ秘訣があると思う。
無垢の板張りの床を雑巾で拭くたびに節が私を見ているからだ。

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