■ ふな口の酒

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クマコラム
19990414

ふな口の酒。小田原のFさんにいただいた。
はじめてお目にかかり口にした。
「このお酒は、酒蔵のふな口から垂れおちた酒を、そのまま壜詰めしたもので、蔵元でしか飲めない薄にごりの酒です。」
吟醸造り純米『丹沢山』仕込み7号ふな口の酒。と壜裏に手製コピー用紙が貼ってある。
読むだけで舌の裏がじわっときてしまう。
アルコール度は17.4%と少々高く、あらばしりの別名なのかと思いは巡る。
はたと気づく。
住宅設計の仕事では「海外になんかお金を払うより日本でしかも建てる近所で建材を調達しましょう。それが豊かな地域循環型社会を形成するのです。」
なんて言っていながら、安くてうまい伊・仏・チリのワインを常飲していた。
神奈川の山にもこんなうまい酒があったのだ。
これからは建材だけでなくアルコホールも地元でなければとほろ酔いながら理念が地道な生活に結びついていないことを反省した。
毎日が発見なのだ。

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