クマコラム
19990426

早くて便利はいいことなのだろうか。
木の話になるが、冬の伐り旬に伐採し、春まで葉枯らしをし、それから里に下ろし玉切り。
里で出番を待ちながら天日にさらさられる。
注文があるまでじっと待つ。
そんな林業は昔のこと。

今では、山主の都合でお金が必要になったとき木を伐る。
通年かまわず。
最近不自由な暮らしをしていない。
思い立ったら何でもすぐに手にはいる。
我慢することが日常から消えている。
不便を感じる欲求が今の経済を支えている。
コンビニがこの時代を象徴し成長を続けている。
アリガトゴザイマシタ!といって店員がおつりをクマの手に投げた。
彼女も早くアルバイト代が欲しいのか。
クマの顔を見ることなくすぐにマニュキアの爪を磨いた。
クマも急いでいたけど、「お金の使いがい」がないと思った。
早くて便利だけでなく「お金の使いがい」のある本物をみんな求めている。
早くて便利だからしょうがないはもうやめる時期だ。

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