クマコラム
19990524

先日のコラムに続いて旅の話。
バブルの時代に仕事で二度ほど、ヨーロッパに行った。
二度とも10日ほどの出張だった。
仕事以外の目的は、釣りだった。

パリでは、セーヌ川。ハイデルベルグではマイン川。ロンドンでは、テムズ川。
餌は、スーツケースにこっそりと「さし」を持っていった。
ところが、飛行機の長旅と温度の関係か、現地に着きスーツケースを開けると「さし」は「さなぎ」になっていた。
郷に入っては、郷に従えとの通り、パンを針にさして釣り糸を垂れた。
結果は、みごとに坊主。
早朝に出かけ、釣れたらホテルのコックに調理をしてもらおうと思っていたが、全く坊主だった。
欧州出張によく行っていた一世代上の上司は、仕事以外の時間、時計やらオルゴールなどを探し歩いていたという。
海外でクマの「こと」にかける情熱と団塊の世代の「モノ」にかける情熱が見事に分かれていた。
「モノ」から「こと」へ、確実に時代はシフトしていた。

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