クマコラム
19990727

岡山の実家にいったとき”ネゴザをどうぞ”と敷いてくれた。
夏の寝苦しい夜の知恵である。
北国育ちのクマは初めてござの上に寝てみた。
なんだか「かさかさ、ごそごそ」していて妙だった。
しかし「さらさら」していて気持ちが良かった。
畳やござの材料のいぐさは体温を吸収しやすく暑い夜の寝入りばなは都合がよいらしい。
寝始めは、体の放熱作用が働き手足からどんどん熱が放出されていく。
その時に体内の熱がうまく逃げないと寝苦しいらしい。
寝始めだけ少し涼しいと良いということなのだ。
クーラーの非自然的な快適性は体に良くないと感じている人は多い。
一定に保たれた室温は快適そうに感じるのだが体の環境順応機能が退化してしまいそうで好きになれない。
完全に機械に飼い慣らされてしまうと天変地異が起きたときに生き延びられなくなってしまいそうだ。
夏の暑い夜、クーラーに頼るよりも縁側の窓を開け、蚊帳を吊りいぐさの上にゴロッとねっころがって寝る方がよっぽど気持ちが良さそうだ。
高気密の完全機械換気の家ではそう健康的には生きられない。
まてよ、それは宇宙生活の訓練ってことなのか?
カプセルの中でしか生きられない宇宙生活訓練。
地球上で生活するのなら自然のめぐみと知恵を働かせて快適に過ごしていきたいとクマは思うのだが。

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