クマコラム
19990902

今週、NHKのひるどき日本列島で紀州の林業関係の特集をやっている。
見ていると若い人が山に戻っている様子が感じられれた。
一回目は、30歳代の木こりが、山から木を伐りだしている様子を紹介していた。
大先輩の熟練木こりが山を紹介するのではなく、若輩者が先輩達を紹介するという放送のしかただった。
昨日は、びんちょうたんをつくっている様子をやっていた。
そこでももうその道何十年という大先輩が一人と彼を取り囲むように20代から30代の若者が5人ほど炭を焼いていた。
みな、自然の懐に深く抱かれ、生き生きとした暮らしをしているようだった。
都会の交差点をあくせく歩きながらハンカチで拭いている汗よりは、腰にぶら下げた手ぬぐいで拭っている汗に、なぜか本物らしさ、充実感を感じてしまった。
そう見ているのは、私だけかもしれない。
いいしれぬ充実感。体を張って生きることの楽しさが伝わってきた。
NHKはライフスタイルとして自然と共生する若者が増えていると伝えたかったのか。
ただ、残念なのは、この真夏に建築資材として杉やヒノキを伐りだしていると実演混じりで放送していたことだ。
建材として使う杉やヒノキは、幹の中の水分を落とす冬に切るのが定石なのだ。
そして、春まで山にそのまま寝かしておき、葉ガラシ乾燥させる。
人工乾燥が進んだ現在でもそれがよい木材乾燥法とされている。
ライフスタイルを紹介するのは結構だが、一番水分を含んでいる真夏に伐り出す様子を放送するとは、いかがなものかと考えさせられるのだ。

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