●1999.10.24
Hさん一家が、わが「葉山。木・風・猫の家」にやってきた。
「健やかな庭」で予習してきたので、それほど驚かれなかった。
無垢の木まみれの空間を見て、やはり木の家はいいものだと思われたようだ。
●1999.10.28
銀行の決済も見通しがついたと連絡があった。
当初から、地下室を希望されていたので土地の地盤調査を進めることを提案した。
普通の木造2階建て程度であれば、スゥエーデン式で十分であるが、今回はボーリング調査が必要になる。
費用も20万以上かかるので、融資の見通しがついてからと予定していた。
地耐力もさることながら、地下室をつくるので地下水位が気がかりだった。
いよいよ、融資の見通しがついたので、基本計画案を詰めていくことにする。
頭の中での、与条件の整理はできていた。
ただ、いざマックの前に向かっても思うようにプランがすすまない。
融資用のプランのようには。
『密集した都市型住居の中でおおらかに自然と関わりながら暮らすには....』
『プライベートとパブリックをうまく分けながら、関係づけるには........』
『Hさんらしい暮らしとは....』
『サザンは....』
まだまだ、Hさんになり切れていないことに気がついた。
さらにHさんになりきるべく、たたき台のプランをつくって打ち合わせに望むことにした。
●1999.11.01
Hさん宅で、プランの打ち合わせ。
前回は、銀行用のプランだったので、はじめて具体的なプランを前に打ち合わせることになる。
敷地条件を多角的に検討した結果、どうやら駐車スペースで建物の構成が決まりそうだと資料を前に説明した。
この土地は、第1種中高層住居地域、60/200なので、らくに3階建てとすることができるのだが、開発業者の周辺住民との紳士協定の中で3階建てはつくりませんと申し合わせしているとのことだった。
お上としては、その地域の土地は有効に高度利用してもらおうという算段なのに勝手に民間で土地の利用価値を下げてしまうのはどうかと思う。
しかし、それを承知で土地を購入しようとしている以上、紳士協定を破るのもどうかと思うので守ることにする。
従って、建築基準法上は2階建てという範囲内で容積率を最大限に引き出していこうと方針を決めていた。
その日、提案したプランは、地下2層、地上2階建てのプランだった。
地下2層というのは、少々お金がかかるが、地下水位が高くなければ、充分成立するプランだった。
しかし、クマとしても今ひとつ納得できるプランではなかったので、それをたたき台に考え方をいろいろお聞きした。
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