●2000.01.06

平野さんから、ファックスが入る。
仕事始めは、1月5日だったのでファックスの内容を頭に入れる。

年末には、ほぼ全体の骨子が固まっていた。
基本計画終了といったところか。
しかし、各業者さんから、概算を取り、予算と照らし合わせて、調整を計る必要がある。
場合によっては、振り出しに戻るかもしれないのだ。
調整しながら、基本設計図書をまとめる。

●2000.01.10

細かい調整を始めると気になるところがいっぱいでてきて、作図作業が難航する。

図面は、まだまだS=1/100程度のモノであるが、概算の精度をあげるために仕様書を丹念につくった。
概算というものの、可能な限り、使用するモノは設定した。

栗の大黒柱、いろりのかまちは栗材。
古材利用の玄関かまち、床は信州唐松、玄関土間は小砂利の洗い出し。
屋上菜園は、赤玉(50%)+腐葉土(50%)を20cm、赤玉(大玉)を3cm、その下にパーライト2cm。
この屋上菜園で、大根は作れないが、トマトやキュウリ、枝豆などは充分作れるのだ。

可能な限り、仕様を設定して、図面を整えた。

●2000.01.11

平野さんに基本設計図書を確認してもらう。
平面図や立面図などは、暮れに確認いただいたモノと大差ないので、仕様書の説明をする。
ほとんど多くの仕様は、私が勝手に決めたモノを仮に設定しておいた。

浄水器、食洗器、オーブンなどの細かいモノから、外壁の材料、屋根材、サッシの種類などの大物まで一通り確認いただく。
まだまだ、この先にいってから最終的に決めてもよいのだが、概算見積を取るために仕様を設定しておいた。
いろいろなところに少しづつ貯金をしておいた。
この時点で、超ぎりぎりに最低限の仕様で予算設定するとあとあと調整がきかないのである。

この日は、午前中平野さんとの打ち合わせが終わったあと依頼する各業者さんのところに出向き、図面の説明をすることになっていた。

13:00〜I工務店、15:00〜Y建設工業、17:00〜S建設。

I工務店は、当事務所にとって、はじめての概算依頼となる。
平野さんからの紹介で見積依頼をすることになった。
社長と担当者が出てきた。
丁寧にご挨拶し、ひととおり世間話をしたあと、おもむろに図面の説明に入っていった。
じつは、ここの設計担当者のOさんは、薪ストーブを入れるきっかけになった小田原のあの道産子の方なのである。
実直そうな設計者といった風貌は、信頼できそうな好印象を受けた。
それに引き替え、社長は、やはり社長といった話しぶりと身振りでがはがはとお話しされていた。

Y建設工業も当事務所にとって、はじめて接触する工事店である。
30分ほど早めに着いたのだが、まあいいやとドアをあけた。
設計者らしいHさんと営業マンらしいEさんが、出てきた。
OMソーラー教会とのつきあいやら、日々の仕事の内容を雑談的に話し、一息ついたところで図面を説明する。
「いや〜、やっぱり設計者が違うとちがいますねっ!せんせっ!」といかにも営業マン風に言われる。
この世界、設計者は、せんせっ!と呼ばれることが多い。
特に名前をいちいち名乗らないで、仕事をする場合の多い下請け業者からよくいわれる。
せんせっ!と言われて、気分の良い設計者はいるだろうか?
少なくとも私の場合、「(るっせい!ちゃんと名前ぐらい覚えろ!と思いつつ)せんせっ!と言われるのはすごくいやなので、佐山と呼んでください」と必ず言うことにしている。
このときも素直に聞き入れてくれて、それからは名前で会話が続いた。

S建設は、7物件ほど仕事を一緒にしたことがあるので、何の儀礼的な挨拶もなく、煎餅をひとつごちそうになったあとおもむろに打ち合わせが始まった。
図面の内容説明は簡単に終わった。
しかし、打ち合わせは地下工事の進め方に焦点が移り、下請け業者も呼んでの大内合わせとなった。

一日中、動き回りぐったりとして、事務所へ帰っていった。
もう1社のKホームさんは、私のスケジュールが調整できないために図面を送付することになっていた。
かくして、合見積りが始まった。
各業者さんには、今回4社の合い見積になりますと事前に話しはしておいた。
見積提出日は、1/22と伝えておいた。

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