クマコラム
20000117

軽井沢に行った。
当初、3年ほど前に手がけた別荘のメンテナンスで行く予定だった。
その仕事の予定が急に延期になった。
そのため、ついでに行こうと予定していた薪ストーブ界の老舗である「長野総商」にわざわざ行くことになった。

というのも、私が外野的に参加している「犬のためのすまいづくり」MLで薪ストーブ談議に花が咲き、長野総商の話しをしたところ、『是非行ってみたいが遠いのでなかなかいけない』という期待にこたえて、私が現場中継をすることになったのだ。
そんなわけで、『仕事がのびたのでと春までお待たせするわけにはいくまい!』と勝手に思いこみ、軽井沢に行ったのである。
この模様は、近々報告するのでお楽しみに。

今回の軽井沢突発的探検紀行で思わず、いいものも発見できた。
午前中に長野総商に着くが、日曜祭日は13:00から営業とのことで、セントパウロ教会を探検することにした。
行く道すがら、「田澤美術館」というのが目に留まり、立ち寄ることにした。
これはもう10年ぐらい前になろうか、建築界では有名な「H.ひろし」先生が手がけて当時いろいろな建築雑誌をにぎわせたもの。
どれどれと近づくが、冬季営業していないのか、無惨な姿であった。
何が無惨かというとスティール、ステンレス、ガラス、タイルそしてコンクリート打ち放しでできたその美術館は、雨だれの汚れと鉄錆が出ており、悲しい姿となっていたのである。
見えない部分は、木にペンキという仕上げになっていてそのペンキも剥がれており、悲しい姿となっていた。
もう使われていない廃墟なのかと思ってしまうほどであった。

やれやれとそこをあとにして、旧軽にあるセントパウロ教会についた。
そこは、1934〜1935設計と文献にあるので、もう60年以上経っている教会だった。
やはり、美しかった。
昨年、訪れた時は結婚式をやっていたので、中をじっくり見ることができなかった。
今回は中にはいることができた。
しかし、誰もいないかなと思って入った教会の中の祭壇に白い花が一杯飾っており、真ん中に写真が飾ってあった。
きくと、小一時間後から祖国で無くなった牧師さんの追悼ミサが開かれるとのことだった。
し〜んとした、木造の教会で、今はなき教会の設計者アントニン・レーモンドと牧師さんの仕事への情熱に感じいっていた。

突然、パイプオルガンの練習が始まった。
小さなそのオルガンは木造の教会と響きあい、何ともいえない小さな暖かさにあふれた空気を醸し出した。
鉄とがラスでできた「T美術館」とこの教会の差に驚いていた。
かたや10年、かたや60年。
手入れされ、大事に使われているから、暖かいのか。
それとも素材の違いなのか、設計者の意気込みの違いなのか、瞬時はわからない。

セントパウロ教会の様子も近々HPで掲載します。

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