●2000.03.14
今日の午後、地下工事のヒガシカタさんと打ち合わせをする予定になっていた。
時間通りに、我が事務所にやってきた。
確認申請も出したことだし、そろそろ本格的に工事のディテールの打ち合わせとスケジュールの打ち合わせをしなければならなかった。
それより何より、まだ、元請け工事店も決まっていない。
地下工事は、ヒガシカタ組にやってもらうことは濃厚でも、請負契約はまだだった。
というこちらの設計契約もまだだった。
普通は、ラフなプランが決まり、概算が出た時点で、工事費がわかるので、設計契約をお願いする。
設計料は、工事費の10%。
今までのケースでは、もうとっくに契約を済ませていなければならない。
しかし、今回は、計画をはじめてから、約半年、このごに及んでまだ、工事予算が見えてこない。
見えてこない理由は、施主の平野さんと代理人佐山がこのごに及んで、あがいているからだ。
泥沼の中を・・・・・
しかし、もうケツは決まっている。
ぐりぐり、前に進めていくしかないのだ。
ヒガシカタ組との話は、どこまで工事費を削れるかに終始し、あーだからこーで、そーだからこーだと、せめぎ合い、だから、上代の86%に落ち着き、550という数字を契約の目安に落ち着いた。
(しかし、最後の土壇場まで、粘ってみようと心に決めていた。今回の現場は、関わる者が血を吐く思いで
格闘しているのだ。それをしっかりと伝えたいのだ。)
次の日に、平野さんの自宅で、地下工事の保障内容の説明と請負契約の段取りをしてもらう約束とし、打ち合わせを終えた。
●2000.03.15
平野さんとヒガシカタ組と契約の最終詰めの話をおこなう。
昨日の打ち合わせで、私が、思い切って!と揺さぶると500にはなりませんよ!
とくぎを差されていた。
一通りの話が終わり、ところで、いくらで契約を・・・と私が水を向けた。
(500にはなりませんということはもしかして、それに近い数字であれば・・・だめでもともと!えいっ、やっ!)
「上代の8掛けということで、いかがでしょう」
(電卓ぱちぱち、頭ぐるぐる・・・・、黙ってしまった。)
「516ということですが・・・」
「(ぐるぐるぐるるううう)!いいでしょう!やらせてください!」
と若手、石ノ森章太郎は、いさぎよかったのだった。
これで、竣工に向けての「桃太郎の最初の助っ人、おいぬさま」が決まった。
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