クマコラム
20000413

今、クマが主催している「薪ストーブの会」MLでルンペンストーブの話題がでている。
北国のある年齢層以上は、懐かしい記憶があるに違いない。
ちょっと、検索エンジンで「ルンペンストーブ」を探ってみた。

明治初期〜開拓使が洋風建築とストーブ使用を奨励 明治中期〜都市部で鉄板製薪ストーブの普及始まる 明治後期〜大正期農漁村にも薪ストーブが普及 大正中期〜国産の投げ込み式石炭ストーブの使用が一部で始まる 大正末期から昭和初期〜国産の貯炭式ストーブが相次ぎ登場 昭和初期〜ルンペンストーブの普及始まる 昭和中期〜石油ストーブへの転換進む

セントラルヒーティングと防寒住宅が普及した現在は、欧米のように家全体を適温に保つ暖房がふつうになった。
その欧米ではセントラルヒーティングの家にも暖炉があることが多く、日本の床の間のような、家の中心的な場所になっているという。
しかし、道内の家にはまだ、かつての熱いストーブに代わる団らんの象徴がない。
めいめいが個室で過ごす時間も増え、「家族のきずなが希薄になったようで、何となく寂しい」と口にする人もいる。

函館市にある薪、ルンペンストーブの専門メーカー、大和金属には「工場がマスコミで紹介される度に、薪ストーブの使用経験がまったくない人からも直接、注文がくる」(高岸良明社長)という。
コークスストーブを販売する鉄原札幌営業所の岡田勝也所長も「コークスストーブは遠赤外線の柔らかい暖かさが持ち味。一度使うとファンになる人が多い」と話す。

懐かしいストーブの一部になお人気があるのは、快適な暮らしに物足りなさを感じる人がいることの現れではないか。
「居間でストーブを囲む団らんの陰には早朝、石炭の灰を捨て、着火する主婦の苦労があった。昔に戻るのではなく、あのころの北海道の暮らしの良さをどう再現できるかだと思う」
と、元道開拓記念館事業部長の矢島はいう。

クマも同感。
最近、薪ストーブや囲炉裏に関心を抱く人は多い。
高度成長期以降、家庭団らんの中心が、裸火からTVに変わったコトへの無意識の危機がそうさせているような気がしている。
裸火の前では、誰でも素直になり、無言のコミュニケーションが成立するのだ。
TVの前での無言の家族崩壊とは違う。
裸火には、力があるのだ。

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