●2000.06.26
階段制作の工場チェックに行く。
階段のおおかたをこの鉄筋で造る。
この階段は縦動線以外にいろいろな意味を持っている。
階段の下端が制作されていた。
図面と違う部分を発見し、作り直しを指示する。
「DNAにそっくりなので、ゲノム階段と命名。」
●2000.07.13
2度目の工場チェック。
また、新たな問題点が出てきて、作り直しを指示。
根気と技術が必要な厳しい仕事になる。
●2000.07.26
3度目の工場チェック。
問題点の謎が解決され、いよいよ本格的に制作にはいる。
その問題点とは、図面通りに曲線が出来上がっているのだが、踏み面の寸法が一定にならないことだった。
鉄鋼所の社長と頭を絞り、解決の糸口がみえたのだ。
●2000.07.30
4度目の工場チェック。
第1機目がいよいよ組みあがる。
細かいチェックをして、ほぼ問題ないので、2機目制作へ突入してもらう。
地下から2階へとこのらせん階段が貫通する。
「3層をつなぐ階段室を光と風の通り道に」
「家族の気配を感じるけものみちに」
「娘が旅立つときのウェディングロードに」
設計者、現場監督、鉄職人それぞれの思いと技術が交錯して、仮組が終わった。さあ、現場へ納入だ。
●2000.08.09
現場には、大型重機が入らない。
人海戦術で、階段を運ぶ。
まるで、お祭りの神輿のようだ。
全員の気合いと暑さで、熱気が伝わる。
慎重に運ぶ。
ほとんど「あらわし」になる柱や梁にぶつけることはできない。
トビが上で、指示を出す。全員指示に緊張する。
最後の締めくくりを鉄工所社長がみずから行う。
「ぴったりだ。原寸図通りだ!」拍手がおこる。
「原寸はかったのは、おれさ。ほっとしたよ。」
渋谷光春現場代理人。
●2000.09.02
多くの人の思いと力で、狙い通りに階段は納まった。
今は、静かに最終工程の塗装を待っている。
「3層をつなぐ階段室を光と風の通り道に」期待は高まるのだ。
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