今月に入って、2回ほどジャズライブに足を運んだ。
ひとつは、高校の同級生が六本木ピットインでライブをやるとの知らせが入ったからだ。「TKB」彼のバンドである。ギターの彼が率いるサックス、キーボード、ベース、ドラムの5人組だ。久々に生の迫力ある音に浸って全身が疼いてしまった。若い(といっても40歳〜35歳)彼らのクリエイティビティにはとっても可能性を感じた。
ピットインのHPで、TKBのスケジュールを確認していて、「山下洋輔」のサイトに出会った。
エッセイでも知られる山下洋輔だけにサイトも充実していてなかなか読み応えがあった。
なかでも、DOJOというページがあって、HPの視聴者が創って演奏した曲を山下洋輔が批評するという内容だ。テンでバラバラな参加者のプレイを独特な視点で評価するのはとても面白い。
そのなかでも彼がCMのテーマ曲として創った曲を勝手にアレンジして競い合うという企画があった。
原曲は山下洋輔独特の5/4拍子ピアノ・フリージャズなのだが、ディスコビートに乗せてしまったり、サックス・ソロに替えてしまったりとなかなか楽しませてくれる。その企画の表彰式ライブが先日、新宿ピットインで開かれた。
正直言って、「山下洋輔」の世界は聞きかじったことしかなかった。それでは、ライブに行っても楽しめないだろうと思い、CD2枚を手に入れて新宿に行く道すがら、聞き込んでいった。初めは少し退屈な「音量はっきり、意味不明」的な音の集合に聞こえたが、CD2枚を完聴し新宿に着くころには彼
の世界にしっかりと浸かっていた。
30分ほど遅れて始まったライブは、始まったとたん私をぐいぐいと乱暴にそして確実に引き込んでいった。その日は、ピアノにサックス、ベース、ドラムと4人編成のフリージャズバンドだった。
推定年齢60歳(P)、50歳(B)、35歳
(Sx)、23歳(Ds)と年齢も見事にフリースタイル。フリージャズは、ライブで真価を発揮すると発見した。(当たり前かもしれないが)
型にはまらない緊張感が、卓越したテクニックに裏付けされて、場所の空気をひとつにしてしまうのだ。
決してパッケージされてしまったCDでは味わえない、演奏者が命がけで音楽を創作している現場を目の当たりにできるのだ。2つのライブで相当に刺激され、興奮し、しっかりと楽しんだ。
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