現在、九州の福岡県ですまいづくりの設計を請け負っている。
こちらは、神奈川県なので心配される方もいるであろうが、設計者はカバンひとつ持っていけばどこででも仕事ができるのだ。
建て主の了解の元、実名は伏せることにするが、そのドキュメントを現実と同時進行で公開していこうと思う。
そんなすまいづくりスタイルもあるのかとお読みいただき、疑似体験していただければと思っている。
きっとすまいづくりに役立つ情報が満載になるはずである。

ひととおりその日の仕事を終え、息抜きムードに入っていた。
突然、電話が鳴った。
こんな時間に誰からだろうと緊張しながらもグラスを傾けていた。
なにやら親しげな会話が聞こえてきた。
友達からの電話だとひとまず安心し、息抜きモードに再突入した。

電話でやりとりしていた所員(以下さるこ=ネット上のHN)が受話器を手で押さえながら、「九州で知ってる建築家いる?」と聞いてきた。
『@@@@@@@@』と頭の中をぐるぐるさせてみたが、思いつかなかった。
「誰から?」
「Vママが、家を建てたいんだって」
「え!?Vママ!イクイク行く!って、言って!」
思わず叫んでしまっていた。

突然のことだったので、少々取り乱してしまったが、正直うれしかったのである。
建築家って、一般の人が弁護士の知り合いが少ないように、知り合うきっかけの少ない職種である。
九州と神奈川で離れているものの、頼って相談してきてくれたことが心底うれしかった。
『イクイク』と叫んだものの、半信半疑だったと思う、お互いに。
取り急ぎ、具体的な資料をファックスしてもらうことでその日は終わった。

Vママとは、3年ほど前からネットでお世話になっている愛犬家で、一昨年、昨年と夏休みを利用してこちらから出向き、遊んでもらっていた方だった。
我が事務所のバーニーズ犬社員「春呼」の友達でもあった。
運動量が多いシェパードが2頭いることもあり、加えて3頭目がお腹にいるらしく、屋敷内で運動の場所を確保したいとの思いがたかまってこの計画が熟していったようだ。

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