/////以下、百孤さんの発信したMLより//////

本日は「不入道」の名前の由来を。
役場で尋ねたところ、那珂川町の歴史書があったので、
コピーしてきました。

-----------------------------------------------
平安期のころ皇室や寺院・貴族の所有地を荘園といったが、
この荘園の中で租税を納める土地を輪租地、
租税を免除される土地を不輪租地といった。

皇室の勅旨田(平安時代、皇室関係の費用に充てるために、
勅旨によって開墾された公田)が不輪租地で、皇族に与えた賜田が
次第に不輪租地となり、勢力のある貴族や寺院がそれにならって
漸次「不輪」の特権を受けるようになった。

しかし不輪租地が増えると租税収入が減るので、
国司は検田・徴租の使を各荘園に派遣して租税を取り立てようとする。
荘園側は、これに対抗して使者の入部を禁止する権限を獲得しようと
中央政府に願い出て、ついに「不入」の特権を得た。
不入の特権は、のち更に拡大されて、国家の警察権行使をも阻むものとなる。

当時この地方は絶大な勢力を持つ背振山東門寺の寺領であったため、
不輪・不入の特権を持っていた。

不入道は、不入斗・不入読と同じである。すなわち、
費用の中に入れて読まないということで、
税を取り立てない土地という意である。
不入道の地名はこの特権の名が残ったものである。
-----------------------------------------------

////////////////////////////

一軒のすまいを設計するとかなり教養が身に付く。
今回の計画地の地番に「不入道」とあった。
その意味は、その土地の概要をあらわすことが多いので、建て主に調べてもらったのだ。
神奈川県にも「不入斗」(いりやまず)という地名がある。
なかなか読めない地名なのだが、同じような意味を持った土地であるらしい。
「字日影」、「字沼間」、「字大崩」なんかよりは、心配することのない、いわれらしいので、まずは一安心。
ついでに、近隣のじいちゃんとの会話もまずまずで、問題はなさそうとの報告もあった。

さらに、ご主人からは、町の都市計画課、税務課の情報からはじまり、電気・水道・ガスなどのインフラ情報、地域情報、売り手側からの情報等々、詳細に渡る30項目ほどの調査報告があった。
その報告を見る限りでは、そこで生活するにあたって、大きな問題になるであろう項目が見いだせなかった。
従って、その時点では、後ろ向きの情報が入ってこないので、暗中模索を続けることにした。

『なんて順調な滑り出しなんだろう』
『なんて的確かつ詳細な調査なんだろう』
と、感心しつつ、次のハードルを見据えていた。

▼ コメントする

▼ サイト内検索                複数キーワードは半角スペースを挿入