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このすまいは、葉山の閑静な住宅街に位置する。
なだらかな東向きの斜面に整然と並ぶ住宅街は開発されてから40年近く経過している。
ご主人と奥様は、共に独立した仕事を持たれ、時間も不規則であり、独立した個が共同生活を営むというスタイルが基本だった。

ご主人の休日は、波乗りと料理。
激務のストレスを解消できるようなすまいを望まれた。
広い意味での『リセット&癒しの空間』である。
リセットするには、街とすまいの間に緩衝地帯を設けることがふさわしいと考えた。
仕事や雑音から切り離され、周囲に気兼ねなく、それぞれの個の世界に埋没するための空間的仕掛けである。

建て主は当初から『ガレージ』を望まれていた。
そのことは、『波乗りが趣味』そして『緩衝地帯を設ける』という課題にたいし、みずから導き出した回答だったのだろう。
『ガレージ』は、もっともふさわしい解決アイテムだと確信した。
そこで、[ 街→ガレージ→すまい ]というプログラムを組む。
一般的なすまいであれば、[ 街→玄関→すまい ]。
玄関をガレージに置き換えた。
そして、いわゆる玄関は削除した。
街とのボーダーラインを強調する場合、「ここが玄関ですよ」と声を大きくしてアピールする必要はない。
このプログラムは、街とすまいの間にガレージを緩衝地帯として存在させ、玄関を削除することで暗黙のうちに「立ち入り禁止」のサインを出すことを狙っている。

その空間は単なるガレージとしてだけではない。
外遊びのグッツを収納。
サーフボードにワックスを掛ける。
ウエットスーツのままで車ごとガレージに入り、すまいの中に入る前にシャワーを浴び着替える。
などなど様々な機能が求められる。
それらの行為を周辺住民に気兼ねなく没頭できる独立した場所としてしつらえた。

そして、組織人(街や仕事の上の)から個人に切り替わるためのリセット空間としても機能させることを重ね合わせた。


■ 物件概要

設計  :(株)生活空間研究所 一級建築士事務所 佐山希人 田澤徹
構造  :地上1階RC造、地上2〜3階木造軸組構造
設計期間:2002.10〜2003.05 
施工期間:2003.06〜2004.02
施工  :自分ノ家工房 清水雅示


● デザインコンセプト

『リセット&癒しの空間』

● このすまいの特徴

ガレージ、薪ストーブ、地下室、近くの山の木を使おう木造打ちっ放しステンレス オーダー キッチン船舶用照明丸太庇、木製サッシ、混構造(鉄筋コンクリート造+木造)、3階建て、OMソーラーシステム、ガルバリウム鋼板(外壁)、付け庇、ダイレクトゲイン


▼ ガレージ入り口。奥に見える扉が人の出入り口(いわゆる玄関)

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▼ ガレージ内部。左手にすまいへの入り口がある

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▼ すまいの入り口に入り、ガレージを見る

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▼ すまいの入り口奥の空間から薪ストーブを見る

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ガレージから薪ストーブまでは土足 ≫ 関連記事へ


▼ おおらかな癒しの空間

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▼ 多目的に使えるタタミの間

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▼ 太陽光のダイレクトゲインをねらう

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