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昨年からオーディオ&ジャズが好きな方々のすまいを続けて設計していました。おかげ様でその方々に刺激され、中学生以来ぷっつりと途絶えていたオーディオ熱が沸々と再来してきたのです。中学生の頃といえば、1000円/月程度のお小遣いをやりくりして、レコードを買ったり、成績アップをネタにして親にすりすりしながらバージョンアップしていくという、とても不自由な金銭環境の中で、興味を実現していくしかありませんでした。今はどうかというと、経済的にはさして変化はないモノの、自分の裁量でやりくりできるような、中学生の時よりも少しはいいような変わらないような、まあそんなもんかとなかばあきらめつつも、大人になったのでまあいいかと足を一歩前に出してみたのでありました。


中学生の時、今から約30年前ほどのその時は、知ってはいるモノの俄然手が出ないモノに、「真空管アンプ」がありました。とてもマニアックで、とても魅惑的で、とても香しくて、うらやましいということだけ脳裏に焼き付いておりました。やはり、今は中学生ではなくて少しはお金が自由になる大人になったので、そこら辺にちいとだけ、入り込んでみたくなったのであります。昨年、「佐山さん、玉を替えると音が違うよ」と設計依頼主のHさんの家でおもむろに真空管を差し替えられたとき、『あ゛、ほんとだ・・違う』と感じたのが、今年になって増幅去来して、やはり「玉」じゃないと・・・、「やっぱり、大人は玉だよな・・ブツブツ」と知らずに深みに自ら嬉々とはまっていくのを感じていたのでした。


それはやはり脳内で勝手に増幅して、今まで聞いていたトランジスタアンプでは何か違うと思うに至り、ネットオークションで真空アンプを物色したり、管球王国(雑誌)を本屋で立ち読みしたり、いろいろはじめてしまいました。そこで、「ぴ〜〜ん!」ときたのが、自分で造ってしまうという中学生の時の発想でした。思えば、お金が無くても、バージョンアップする方法=「自分でやる」という強い味方があったのです。工作少年だった中学生の頃、ベニヤを買ってきて、長岡鉄男の教えに習いバックロードホーンやバスレフをしこしこ作っていたのでした。今もそれは現役で使っているのです。まあ、なんと!


それを思い出し、「真空管アンプ」を作ってしまおうと考えるに至ってしまいました。そうして、検索エンジンで「自作真空管アンプ」を渡り歩いて、たどり着いたのが、ある真空管アンプ専門のネット・キット・真空管アンプ屋さんなのでした。真空管に関しては、全くど素人の私が目を白黒させながら、オークションやその筋のサイトを渡り歩くのですが、言葉遣いがわからず、困ったもんだと途方に暮れていました。


レコードと真空管アンプそんなとき、「THE キット屋」の店主日記に出会いました。そこの大橋さんという店主が日々の出来事を書き連ねている淡々とした日記なのですが、「玉」のなんたるかをひもといてくれるような記述がたんまり書かれていて、それはそれは目から鱗が落ちるように参考になったのです。それでやはりどうしても、心が動いてしまい、そこで目星をつけた、真空管アンプキットを仕入れてしまったのでした。その店主日記では単純に「売れればいいや!」ということで日記を書いているのではなく「真空管アンプが好きで好きで、たまりません!だから、この仕事をしているのです!!」ということが、日記を通じてひしひしと伝わってきていたのでした。そんなこともあって、私は大橋さんに注文してしまいました。「下さい。真空管アンプキット!」と。


このオーディオ熱再来のきっかけを作った私にすまいの設計を依頼したHさんも「人から買いたいんですよね。私は。」と言っていました。(なぜ、私にすまいの設計を依頼したのですか?とお聞きしたときに。)


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