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本日、野天風呂のある家が上棟しました。
はじめて建て主にお会いしたのが、昨年の3月でした。
当初予定した土地は融資が思うように付かなくて断念したこともあり、工事着工まで約1年近くもかかったのでした。
その断念した土地は、境界線がなんと海!という好きな人にはたまらない海っぺりの土地でした。
シーカヤックを愛する建て主にはたまらない坪100万円の土地は、融資する銀行にとって特別な土地でも何でもなく、坪40万円の価値しかない普通の土地なのでした。
そんなこんなで、土地探しから出直しとなり、海っぺり希望を頭の片隅に置きながら、ぐるぐると一緒に土地を探して歩いたのが去年の春でした。


そして、やはり土地との出会いは縁しかないといつも思うのですが、出会ってしまったようです。
「佐山さん、見てほしい土地があるんですが・・・」と連絡が入りました。
将来的にはそこで生業をたてたいという意向もお聞きしていたので、葉山の町と海の間の土地に連れて行かれたときに、『あっ!出会ってしまったのね。』と直感しました。


そして、夏から秋へとプランを2度3度〜、造っては捨て、造っては捨てとスタディを繰り返していったのでした。
葉山では、ここ数年不景気のあおりを受け、企業の保養所が売却され、住宅地に開発されるケースが増えています。
こんもりとした豊かな屋敷林がずいぶんと姿を消し、密集した住宅地に変貌しています。
そんな中で、自然に寄り添い、四季を楽しもうとすると、やはり屋上を活用しない手は無いと考えています。
この野天風呂がある家も、そんな発想から、3階建て木造の3階一部をルーフテラスとして、お風呂をそれに隣接させて四季を楽しむことを試みました。


040214.jpg暖かい季節は、浴槽をルーフテラスに引っ張り出して、富士山を見ながら湯船につかろうという魂胆です。
雪が降ったらそれまた楽しで、雪の降る中、湯船につかるのもいいと勝手に思いプランを提案しました。
そのライフスタイル・プランを建て主も大いに気に入り、採用!となったのでありました。

その後、工事費との大格闘(限られた予算を最大限有効に使うためのプロジェクト最大の試練)の末、やっと上棟までこぎ着けました。
私とすればここまでくると、一安心です。
今後は、建て主と設計者が考えていることが現場で誠実になされているかどうかをチェックしていくことに精を出していきます。無事、事故もなく、すっきりと引き渡しを迎えられますように(合掌)と、祈るばかりなのであります。

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