自給自邸 展 - セルフビルド魂万歳 -
ギャラリー紹介文より引用

家は買うもの、あるいは借りるもの??これが「家」に対する一般的な認識ではないでしょうか。しかも今日の消費社会において、それは「最大の買物」として人々の欲望をそそる商品となっています。 一方、そのような社会の中で生まれたレディメイドな住まいに満足できず、自分で家をつくること=セルフビルドを選んだ人たちがいます。家は生活や仕事を営む場であり、家族がより快適に、より自由に生きるための道具でもあります。だからこそ、自分でつくる−それは、彼らにとってごくごく自然な行為であり、実は誰もが持っている力ではないでしょうか。


私も自分でできることはできるだけ自分でやりたい。経済力の問題よりも、その真実を知りものの成り立ちに首を突っ込みたいからかもしれない。ものが少なかった北海道での幼少時、父親はほとんど自分でできるものは自分で造っていた。その影響が大きいと思う。特に衣食住の中で、住に関しては時間が許す限り、父はほとんど自分で手がけていた記憶がある。その道の専門家からすると、器用な素人の域を出ていないとは、子供の私にも理解出来た。しかし、そんな環境の中で育った私は、『今でも自分でできることは自分でやりたい』ようだ。

『自給自邸 展』の内容は、プロの私から見ると危ないところが散見された。みな伊豆半島近辺でのプロジェクトらしい。昨今いわれている大地震があったら、いっかんのおわり的な危うさが随所に。しかし、それはそれでいいのだろう。セルフビルドは自己責任の世界だ。しかしながら、仮に私が相談を受けたら、セルフビルド魂あふれる建て主の理想とシェルターとしての機能を果たす建築には仕立てていくだろう。それにしても、机上で理想論は語れても、実際に自分の手で生活を組み立てていくことは、現代ではとてつもなくエネルギーのいる生き方だ。この展示に自らの生き方をさらした御家族には敬意を表したい。

銀座のINAXギャラリー9階から街を見下ろすと、自分の生活を自分の手のみで組み立てることは、不可能に近いと思った。そこには個人自らが自分のために造ったものはひとつも存在していなかった。


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