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初めて出逢ったのは今から27年前。大学が決まり上京。第一の故郷、北海道羽幌炭坑は私が小学4年生で閉山。その時の同級生が千葉県柏市にいるというので上京後すぐに会う。8年ぶりほどの再開。つもる話なんかなんにも無い18才の小僧二人(もう一人いたかも)、何故かホワイト餃子柏店にいく。私が強制連行される。小学生時代の彼はクラスでもいちばん頭が良く秀才君だった。しかし、高校卒業して就職するという。詳しく事情は聞かなかった。

柏駅から商店街を通り抜け、スナックやバーが見え始める裏町。木造二階建ての質素な店舗。ダシのきいたのれんをくぐるとモルタル床に引きずるとガラガラという丸いす。あまり大きくない店の奥で油まみれのフライパンが熟練コッカーと一緒にリズムを刻んでいた。メニューは餃子とビールのみ。
『どうする?』
『えっ?』
『俺は焼き餃子30個にするけど』
『じゃあ、おれも』
どうやら、そこでは餃子だけをもくもくと食べる店のようだ。日曜日の早い午後。他の客もみな餃子だけを食べていた。壁を見ると、大食い自慢の名前がびっしり。最高は130個。女性の名前だったと思う。あっけにとられながら30個を食い尽くし、『うまいなあ』という記憶だけが残る。ホワイト餃子の30個から大学生活が始まるも、そこには通わなかった。今から思うと一食に1000円近く使うことができなかったからだろう。大学時代のホワイト餃子の記憶はこれしかない。

社会人になり、偶然にも巣鴨とげ抜き地蔵界隈通称『ばあちゃんの原宿』で再開。しかしである。なんか違う。「ホワイト餃子」ではなく「ファイト餃子」なのである。メニューにラーメンもある。しかし、無性に過去の記憶が湧き出てきてのれんをくぐってしまった。店にはいると老若男女勝手それぞれの品を食べていた。が。その中に俵型の餃子を発見。間違っていなかった。うれしくなり30個とビールを注文し10数年ぶりの再開を心の中で祝った。

この出来事で、ホワイト餃子の記憶が戻り、柏の姉妹店がちらほらあることを知る。その後、結構グルメな友人が住む高島平店に一緒に行くと彼も一発で気に入った。全国に支店提携店はあるようだが意外と知られていない。彼も知らなかったようだ。飲食店の専門誌「日経ホテル&レストラン」にも餃子専門店として取り上げられていたにもかかわらずだ。その十数年後4年ほど前、カーナビでホワイト餃子を探すと横浜支店があることを知り私のお気に入り店の上位ランクに君臨する。しかし、昨年不意に店を閉じてしまったのだ。聞くところによると、高齢の職人さんが手を大けがしてしまい店を閉じるに至ったのだという。なんとも残念だ。それからは、少し遠いが相模原の提携店に行っている。

食べたことのある方であれば「う〜ん。あの味ね。」だろう。すっごくうまいわけでも、強烈な個性があるわけでもない。しかし、しばらく食べないと無性に食べたくなる味でもある。一見単純な餃子なのでバカにしてかかりがち。ところがどっこい。10個、20個と食べ進んでいくと単純な餃子がまるでラーメンを食べているようにいろいろな味わいが出てくるのだ。厚くてかみごたえのある皮はまるで麺だ。あたりまえだろうどちらも小麦粉でできているのだから。あっさりとした具材とかみごたえのある皮。これを繰り返し口に運んでいくと『ホワイト餃子ってうまいラーメンを食べているのと同じだ』と唸ってしまう。何も足す必要がなく引く必要もない。この餃子を食べて以来、普通の餃子はうまいと思わなくなってしまった。同じホワイト餃子とうたっている支店でも微妙にそれぞれ味は違う。そろそろ、野田本店を詣でなければならないだろう。『I Keep Tryin' ホワイト餃子』なのである。


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Alice堂のWEBLOG - 小田急相模原の萬金餃子 (2006年4月 9日 10:18)

 「ボイスブログ君」というPodCastがあります。相模原市の小田急相模原から発 続きを読む

▼ コメント(3)

http://blog.excite.co.jp/imakiyo/2854198/
このブログには「生地の素材が、なんとパンなのだ。」とある。
んんん…。かも。

その店の写真をしげしげ見ると「手打 ぎょうざ ファイト餃子」
んんん…。なるほど。(笑

これは。。。。かつて金沢美術工芸大学の学生がやみつきのように食べていた。「第七餃子」のホワイト餃子なのでは!!!!
私の友達の旦那は(もちろん卒業生)東京にわざわざ取り寄せて食べていた。
ボリュームあり、貧乏学生の味方だった。

そうみたいですね。
取り寄せなくても東京にいっぱいあるよ。
教えてあげて。

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