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葉山の昨夏。あやしげな海の家で気をほぐす。ここはかれこれ25年以上続いているだろう固定ファンも多い海の家だ。企業が保養所を手放し住宅地に変わっていくので、この海の家の近くも住宅地に変わった。そのせいか一昨年夏、侵入者である新住民が海の家の音がうるさいと抗議をしたらしい。葉山の夏の文化が危機にさらされた。夏になると私の仕事場まで風に乗ってレゲエが聞こえてきていた。うるさいと感じたことはない。それが葉山の夏の始まりだったのだから。しかし、昨年は海の家が始まっても音が聞こえてこなかった。大人しい夏に変わったようだ。昼下がり、疲れた脳内を活性化させようと森戸海岸まで歩く。近づいても海の音しか聞こえなかった。いつもの場所に海の家はあった。一見大人しい海の家。しかし、ひとたび風が素通しの店内に潜り込むとなんとさわやかに音が舞っているではないか。よくみると天井から至る所にひょうたんがぶら下がっていた。それにスピーカーが仕込まれていたのだ。床の砂に向かって音を発しているのでその付近では音がするのだが店の外まで拡散しないらしい。とても良いアイディアだ。店の中は心地よく音で満たされている。店を離れると波の音だけ。進化していたのである。


060503-2.jpgいつか私もひょうたんスピーカーをつくりたいと思っていた。天井からぶら下げて存在感のない音を背景に仕事をするのである。昨年は思いつくとひょうたんを探していた。今年もひょうたんを探そうとしていたその矢先。ひょうたんから自分で作ってしまえば良いのだとひらめいた。季節も良く今から育てれば秋にはできるだろう。ということで、今年の緑のカーテンはひょうたん&朝顔と決まった。種からやろうと店をのぞくがさすがにひょうたんの種はなかなか見つからない。専門店に行く。と、種も数種類あったが苗もあった。朝顔は種からひょうたんは苗から始めることにした。


060503-3.jpg苗木のそばにつくりかたが展示されていた。それをカメラに収めようとしているとそのコピーが欲しければ差し上げますよと店員。ていねいに作られたその育て方にはひょうたんの加工の仕方まで書かれてあった。『千成ひょうたんは小型なのでそのままインテリアとして飾って楽しみます。大ひょうたんは容器や楽器に加工出来ます。どちらも収穫後、種を抜いて乾燥させてから利用します。』とイラスト入りで詳細に書かれていた。気持ちははやるが秋までじっくり育ててみようと思う。植え込みは終わったので、これから「わき芽かき」「追肥」「人工授粉」といそがしいらしい。さてさて、大きな実がなりますように。そして、我が家のアルティック陣に負けないような良いスピーカーが誕生しますように。


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