毎年、気候が変わってきているのを実感する。昨冬は薪の消費量から判断してかなり寒い時期が続いたようだ。築後4年ほどはさほど気になる結露はなかったのだが、昨冬に限り天窓からの結露が気になるという相談があった。その前の冬までは寒さもそれほどでもなく、結露はしても乾燥するバランスとうまくかみ合い気にならなかったのだろう。それが、昨冬はしたたり落ちてきたのだ。そんな例年にないほど寒かった冬が終わり春が来た。しかし、GWを過ぎても気温は上がらず、雨が降り全体的に湿度が高い。これが日常生活するうえで思わぬところに表面化してきた。

今朝、天窓付近で雨漏りがするとの電話が来る。予定を調整し、工務店と現地に行く。このすまいも築後3年は経過している。今まで平時の雨で雨漏れはない。電話をもらったときも現地に到着時も雨がしとしと降っていた。が、到着時は漏れが納まっていた。天窓あたりを点検する。平時の雨で漏れたことが無いので、外的条件で雨漏りが始まったのかどうかを点検。異常はない。工務店の担当と話し合い天窓の結露が原因ではないかという仮設にいたる。いまどきに結露とは何故かと思うが、気温と湿度の関係である部位の結露する温度(露点温度)が決まる。今は冬に比べて暖かくなってきているとはいえ、湿度も高いために結露したのだろう。

検証してみた。気温と湿度で露点温度がわかるのだ。ネットで検索すると『空気に含まれる水(湿度)と植物生産』というサイトに出逢う。早速、想定される条件を入れてシミュレーションしてみる。ちなみに、露点温度とは気温と相対湿度を固定したときに、結露を始める温度のことである。たとえば、気温18℃で相対湿度が40%であれば4.18℃が露点でありある物体温度が4.18℃以下になるとその物体は結露を始めるということ。この例は冬に相当する。室内温度が18℃、相対湿度40%、窓ガラス面が4.18℃で結露が始まるということ。暖かいすまいが常識となった現在では、冬場の一般的な数字だ。

では、5月中旬のいまどきではどうなるだろう。今朝の明け方の外気温は15℃〜16℃。天窓のガラス面に結露が発生しそうな条件を探ってみた。
・室内温度18℃→相対湿度90%→露点温度16.29℃
・室内温度19℃→相対湿度85%→露点温度16.38℃
・室内温度20℃→相対湿度80%→露点温度16.39℃
・室内温度21℃→相対湿度75%→露点温度16.35℃
・室内温度22℃→相対湿度70%→露点温度16.23℃
・室内温度23℃→相対湿度65%→露点温度16.02℃
十分結露する可能性がある数字だ。なんらかの理由で相対湿度が上記数字以上になり、外気温が15℃〜16℃になると結露する。

夏型結露で一番多いのが地下室での結露だ。夏場、私のところの地下車庫を見ていると、天井部分からある一定ラインで結露が始まっている。地下車庫の上部は外気温に近い。しかし、そこからレベルが下がるに従いコンクリート面の温度が下がっていく。外気が及ばない土中温度は15℃前後といわれている。ネットの式に当てはめると気温28℃、相対湿度45%で露点温度が14.91℃。地下車庫の壁面温度が地下温度の15℃になるラインで結露が始まるのだ。相対湿度が45%とは冬並に乾燥している時期の湿度。梅雨時は相対湿度60%〜80%。結露する条件がそろう。

今朝の雨漏り的な結露水の発生は、梅雨時のような相対湿度になり、外気温と室温が3℃以上差が出てくると起きえる自然現象だ。この条件は今年まできれいにそろわなかったために結露は発生しなかったのだろう。地球温暖化が原因で、今までそろなかった特異条件がかさなったのだろうか。不気味に気候が変化しているようだ。

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