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北国の旅の空 流れる雲 はるか 時に 人恋しく(小林旭/大瀧詠一/阿久悠)

久しぶりに「ラジオ深夜便」で目が覚める。20年前の曲。昨日は北海道各地で初雪が舞ったそうだ。私は一年で今の季節が一番好き。これから迎える暗く寒い閉ざされた世界。そのなんとも言えない陰鬱な北の暮らし。もう、離れて27年になるが、やはり今の季節がワクワクする。暗く厳しいどんよりとしているばかりではない。晴れると一転、まぶしいくらいに明るいのだ。一年で一番明るい季節でもある。そのコントラストが大好きだ。


●2006.10.28(土)
竣工してから3年経過するYさんのお宅を訪問。導入した蓄熱式暖房機(クレダ)の熱量調整のダイヤルが動かなくなった。私の親と同年代の両親がいる。手で回せなくなったとのこと。工務店に相談するも、メンテナンスに来た担当が有償修理と言い、加えて数ヶ月も放っておかれているという。「佐山さん、渇を入れて!」とのSOS。あんなシンプルなもの、使い方で壊れるわけがない。工務店経由ではなく、輸入元に連絡。営業部署ではたらい回しにされる可能性があるので、直接技術部門へ。脅しにならないように事情を説明。問屋ルートを聞いてきたので、それではラチがあかないんだと冷静に談判。電話の向こうで状況を察したらしく、修理を前提で状況確認のアポが成立。ちょいとバラしてみると、やはり製造上の具合で動かなくなったらしい。さっさと無言で部品を交換。数ヶ月前に来たT芝関係のメンテ担当者とどうやら同じ人らしい。輸入元にどういう説明をするんだ?と確認。使い方の問題か?製品の不良か?有償!と言っていた手前ばつが悪かったのか、さっさと帰って行った。堅いダイヤルを回そうと無理をしたためにくたびれたダイアルと引き替えに新品を置いてゆく。見るとみごとに差しているメモリとダイアルが違う。まあ、使うには問題ないかと、おいとましたが、やはり使いにくいとメール。そりゃそうだ。やれやれ。無事に使いやすいように初期状態に戻ることを祈る。
私の親世帯にも導入しているクレダ。冬期間日々スイッチのオンオフをしなくても良い優れもの。深夜電力利用の電気式蓄熱タイプなので、経済的、空気もクリーン、環境負荷も少ない(エコ)、安全性も極めて高い。良いことずくめなので、私はよく使う。なので製品不良は勘弁願いたい。まあ、優秀な日本製と比べると、やはり格が違うかなという気がする。英国製。そういえば、自邸コンロ・ロジェールの部品交換はどうなったのだろう。部品を取り寄せますと言ってそろそろ10年経つ。まだ、船便が届かないのか?フランス製だからなあ。日々困っていないので、気長に待つか。やれやれ。

●2006.10.29(日)
雨の深夜、横浜へ向かう。動物は本能的に雨の日に子供を産むことも多いらしい。月も出ていない。敵にさらされないからだろうか。人はどこから来るのだろう。私は北の果てで産まれて、今葉山に流れ着いている。いろいろな偶然が重なって今がある。この先もいろいろな偶然と出会いで流れていくのだろう。おそらくもう既にすべてが決まっていてあくせくしながら流れてゆくのだろうか。わからない。先日、「うさうさ」を観た。血液型で人間を分類する方法は皆知っている。この「うさうさ」は違う切り口の分類。私は「さう男」だ。いざこざが嫌いで、小心者。オタク素質有り。この分類は、両手の握り方、腕の組み方で分類するらしい。どっちも親に教えてもらったわけではないし、学校で習ったわけでもない。生まれ落ちたときから決まっていることなのか。血液型も自分では選べない。「うさうさ」も自分では選べない。すでにいろんなことがDNAにすり込まれていて、流れていくらしい。

●2006.10.30(月)
古民家移築計画の相談。ダッシュ村のような場所を創造するのだという。すでに移築するものの目星はついているとのこと。おもしろそう。いろんなプロジェクトがあるが、この「おもしろそう」という第一印象が大切。要は興味がわくかと言うこと。今の私はすべて興味のわくことばかりで渦巻いている。サラリーマン時代は取捨選択する余地は皆無。すべてに興味を持ち、全力投球することは無理。そんなとき、仕事は自分で造ってゆくモノ。やりたいことができるように仕掛けるのだと教えられた。今はその教えが効いてきて、縁があって飛び込んでくるプロジェクトはすべて興味深い。このダッシュ村は、スポンサー、参加するスタッフ、利用者が多岐にわたり、シンプルなプロジェクトではない。綿密な戦略と動き方が必要だろう。やはり私は「さう男」らしい。

●2006.10.31(火)
少々テンションが上がり気味で、二日酔い。もうろうとしながら、いろいろなことをやる。久しぶりに月末の支払い。私自身が会社の経理的なことをやらなくなって5年以上。パソコンで支払いができる今は大変便利だ。しか〜し。振り込み手数料が不要な口座に残金無し。そこに振り込むのに手数料がかかる。ATMまで行く。自分が動けば銀行手数料はいらない。たかが、数百円だが、されど数百円である。車で行くのだから、ガソリン代を考えると「う〜む?」だ。しかし、それは「竿竹屋が何故儲かるか」思考で行こう。別の用事のついでに銀行へ行けばよいのだ。矛盾はあるが都合が良いように考えないとやりきれない。地球環境、Co2削減、地元の山の木を使おうと言っていながら、車に乗る。難しい問題だ。

●2006.11.01(水)
今日は北の雪便りと一緒にリフォームの話が舞い込む。どうやら、担当していた建築家が倒れてプロジェクトが機能しなくなったらしい。それで私に白羽の矢が向けられた。倒れられた同業に同情するが、うれしい便りだ。今の時期からの計画は、あたたかいすまいづくりに軸足をおくことになるケースが多い。リフォームとなるとなおさらだ。北国育ちの私は寒さに厳しい。やはり冬は、家の中でTシャツ&アイスクリームだ。こたつにどてらでミカンなどは、貧しくって仕方がない。そして、車には乗るがエネルギーは浪費しないローインパクトなすまいにしたい。いろいろ思いが巡る。また「これはおもしろそうだ!」の虫が騒ぐ。夜。また中学生の飛び降り。どうやら自殺らしい。最近多すぎる。報道が過熱しているだけなのだろうか。何故そうなるのかと思うことが多い。いじめが原因と学校関係者も報道されている。私は学校関係者も含めて親の世代全般に原因があるとみる。核家族、忙しい親、忙しい先生、みんな「心を亡くしている」。だれも子供の叫びを受け止められなくなっているのだ。そんな子供にしたのは大人である。すまいかたでそれらに突破口を見つけることはできないだろうか。明日は親を病院に連れて行く。

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