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明日、無事に葉山スタイルが一軒船出します。昨年(一昨年?)、不動産屋さんからの紹介でこの建て主さんとお会いしました。我が家にお招きし、いろいろお話ししました。きっと冬だったと思います。(プランに薪ストーブが入っているので...)不動産屋さんのSKMさんの紹介だから間違いない!というありがたい第一印象を持って頂けたようです。それから、土地探しのお手伝いが始まりました。私たちに初めてお会いした時点で、もう鎌倉逗子葉山界隈の不動産情報はほとんど知っておりました。それでも時たま出てくる広告になる前の物件を嗅ぎつけられ私たちに相談してきました。正直良いと思うものはありませんでした。しかし、一件「どうだろう?」と相談を受けたときに現地を見て私が「ぴ〜〜ん!」ときました。「いいのではないでしょうか!」と電話でお話ししました。「そうですか〜?」と電話を終え、しばらく日が過ぎた頃、「佐山さん、決めました!」と奥様から電話がありました。実は、その土地、以前にも見ていてあまりぴ〜〜んと来なかったらしく、ぐずぐずしているうちに、他の人が先に申し込みを入れた物件だったらしいのです。その先約者が諸事情で買えなくなたために、再度市場に出てきたのだそうです。だから、旧友に会うような気持ちで再度現地を見られて、即断されたそうです。実際、すまいが出来上がると、葉山のすばらしい海と山が一望で、なかなか今では手に入れられないすまいとなりました。土地探しからお手伝いさせて頂いてやっとかわいい子供を送り出す気持ちでいっぱいです。


私がこのすまいで意識したのは、葉山のデザインでした。通俗的にならないように葉山のスタイルを模索しました。とはいうものの、隣のお寺と同じ下見板張りのデザインですので、50年ほど前であれば通俗的なデザインだったでしょう。今はどうでしょうか。おもちゃ箱をひっくり返したようないろんなスタイル、建売業者の通俗デザイン、ハウスメーカーのナショナルデザイン。地域固有のスタイルは見えてきません。葉山らしさはどこにもありません。私はあえて、目に見える外装はトラディショナルな葉山スタイルを取り入れました。しかし、シルエットは四角なモダンスタイルです。

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乱暴な言い方をしてしまうと、建築家が持つ社会的な役割は新しい社会像をどう変えていくかです。おかしいと思っている社会像を変えていく。大きく見ると地球に対して正解を探す。ちょっと小さくなって日本社会。もう少し小さくなって地域。さらに小さくなって「家族」。言及すれば「個人」。建築を職能とする私が常に考えているテーマは、「地球にローインパクトで、夏涼しく、冬暖かいすまい」。冬は太陽光のありがたさを存分に受けたいと思います。

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偉そうな能書きを言っても、最後は人間が造っていきます。それに携わる人たちの技術と気持ちを最大限に発揮するように指揮をとっていかなければなりません。うまくいくと今回の現場のようにすばらしいすまいが完成します。携わった方々の意気込みが最終形に表れてきます。

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●2006.12.07(木)

T邸の銀行用プランをさくさく造る。さくさくと言っても楽しまない手はない。普段、お客様に提案するプランよりも気楽に造ることができる。そうすると肩に力が入らない分だけ、良いプランができる。銀行には面積をしっかり伝えればよい。それと、そのプランの見積もりを添えてローンの審査を受けるのだ。結構自分でも良いなと思えるプランができた。建築面積つぼ八、3層のコンパクトデザイン。しかし、もっともっと良い解決方法があるはずだと思う。富士山と海が見えるのだ。もっと、もっと。

●2006.12.08(金)

12/9〜12/10のオープンハウスのメールがぞくぞく。これまでのオープンハウスは私たちが折り込みチラシのデザインをして新聞オリコミに入れていた。そのおかげで、私たちと出会いすばらしいすまいを手に入れて頂いたお客様ともお会いできた。その確率は3/10000程度だろうか。私たちが渾身を込めて送り出す折り込みチラシよりも、このブログで渾身を込めたらどうなるだろうとやってみた。結果、世の中の流れは変わっていたと実感。

●2006.12.09(土)

薪ストーブMLに参加している大沢さんと午前中にオープンハウスを案内したあと我が家で懇談。最近、薪ストーブMLの投稿頻度が極端に少ない。立ち上げた6年ほど前はわいわいもりあがった。みな、ものずきな連中、そして何故か犬飼が多かった。その財産は今にも引き継ぎ、良い友人達として一緒に時を刻んでいる。ちなみに、薪ストーブ使いは、冬生まれが圧倒的に多い。だいたい11月から3月くらいまで。おもしろい。それに犬飼。薪ストーブを愛でる基本要素は冬生まれと犬飼。おもしろい。

●2006.12.10(日)

さるこの友人3人衆が我が家に泊まる。明け方、私のお気に入りスタバのユーコンブレンドを煎れる。このマメ、私の大のお気に入り。笑い話。スタバに行って、ユーコンブレンドはやはりアラスカのユーコン川流域で採れるんですか?とまじで聞いたことがある。すかさず。「そんなこと無いですよね〜。お客様!」と煙に巻かれてしまった。そりゃそうだ、アラスカでコーヒー豆が採れるわきゃないだろう。しかし、それにもめげず大好きなコーヒーなのだ。その後、葉山2件のオープンハウス盛況で無事終了。多くの出会いに乾杯。

●2006.12.11(月)

すこし、自分を取り戻せる日。実は8月末に自分へのご褒美として「真空管キットアンプ、SV-3488」を仕入れていた。8月末からだから、もう2ヶ月半以上も1階薪ストーブのそばで組み立てを待っている。開封後、同時に発注していたスピーカーユニットはもうすでにひょうたんに納まってテレビや童謡、インターネットラジオのの音声担当をしている。しかし、肝心な真空管アンプは眠っているのだ。これがまた心地よい。高級なワインを寝かせるがごとく、いつか楽しんでやるぞっ!と段ボール箱を眺めていると心が豊かになるのである。人生心豊かに生きてゆくすべを知るのが勝ち組だ。

●2006.12.12(火)

「自分らしい家」の取材予定日。朝から、ばたばた。うちの父自慢のクリスマスイルミネーションもすっかり取り外す。3月出版のその雑誌に、クリスマスはNG。しかし、朝から天気は思わしくない。予定時間に電話がかかってきた。そちらのロケーションならやはり天気が良くないと...。であえなく中止。せっかくだ。私も天気の良いときにばっちり撮って欲しい。次のアポは12/18になったので、父自慢のクリスマスイルミネーションはお預けとなった。私としては、やれやれホッとしている。

●2006.12.13(水)

葉山堀内の現場の完了検査。雨交じり。原付で行く。カーテンを見積もってもらう昔なじみのインテリア業者さんとも待ち合わせ。私が空間の考え方を説明。それに呼応してカーテンや他のふさわしいやり方を提案してくれる。うがった言い方をすれば私は指揮者。バイオリン奏者にはなれない。その道のプロのアイディアはやはりすばらしい。できるだけ、現場では蛇の道は蛇にしたがう。その方がうまくいく場合が多いのだ。リーズナブルでベストなやり方を学ぶ。

●2006.12.14(木)

一色の現場の撮影を工務店の担当者と予定。しかし、天候が思わしくない。即刻、順延。来週は天気が良いらしい。最後の最後にかわいい子供を撮影するのだ。天気に負けて、のちのち言い訳したくない。最高の状態で記録しておきたい。天気予報はアテにならないが、私の感ではここで妥協せずに来週にした方が良さそうなので、感を頼りに順延する。一色の現場はNo.44のかわいい子供。No.200くらいまでは皆に喜ばれながら生きたいなあ。

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