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私のすまいづくりの原点でもあり、10年目を迎えた我が家が4ページにわたり特集されている。他の設計者の自邸も掲載されているので、すまいづくりの参考になると思う。設計者の自邸は、そこに住まう生活者と予算を握る建て主と思想を形にする設計者のボーダーラインが限りなく薄くそのラインを超えて自由に横断しているのが特徴だ。

私の場合、最優先は眺望。明日への希望と自己実現の源泉を刻々と変化する海に求めた。北側に拡がる海に開くことは、南に背を向けること。一向に気にしない。一番大きな割り切りはここで使った。二兎を追うもの一兎を得ず。生活者としてゆずれない第一の条件だった。次に素材はいっさい化粧しない。本誌のライターはそれを荒々しいと感じ取った模様。変に二次加工されていない材料。自然界に存在する材料。見栄えを良くするための化粧はしない。それらをできるだけロープライスで仕入れる。細かい手の込んだ納まりはしない。ここで予算を握る建て主の顔がでる。最後に『すまいを建てることで無くなる緑を屋根に復活』。これは設計者の思想。木造3階の屋根の上に本物の黒土を入れることは尋常じゃない。断熱やにわかファーマーには効果はあるものの、緑被率減少への抵抗、地球にローインパクトの実践という大義名分がないと維持がたいへんだ。

10年経過して、それらのコンセプトは色あせていない。我が家の大きな背景として存在感を示している。先日も現在設計中のDさんが打ち合わせにやってきておもむろに「自分らしい家 6」を取り出した。本誌をお知らせしようと思っていた矢先である。その本にはたくさんのポストイットがついていた。Dさんが会社にあったその本を何気なく手に取ると我が家のページにもポストイットが貼られていたので驚いたとのこと。DさんはTVCMの制作をメインに手がけている。CM制作の舞台を探す際、本誌のような媒体も参考にするらしい。ポストイットが貼られていたのは、目に見えるデザインではなく、根底に流れる設計思想がいまだに息づいているからと信じたい。

2007.03.12現在、一般書店にて発売中。

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