2007.07.07。七夕。東京丸の内に行く。プライベートな用事。葉山から車で1時間ほど。週末は営業車が少ないので予定通りに都心に入ることができる。横横の逗子インターに乗り、首都高銀座で降りる。小一時間の運転は神奈川県内を走るより快適。が。銀座のホコテンを忘れていてど真ん中に突入し迂回路を。目的地「丸ビル」に着いたのはそれから20分後。やれやれと駐車場に車を駐め2.5人で歩き出す。地下の駐車場からは、サインの案内図を頼る。『緑のG4ね』と帰りの場所を脳内メモリーにたたき込む。ここはぞうさんやウサギさんではない。色と数列。駐車場のサイン計画はサラリーマン時代にいろいろ企画しデザインした。目的は「わかりやすく戻ることができること。」20年前だ。その頃から、SC(ショッピングセンター)などでは、ぞうさんやうさぎと色を組み合わせなんとか迷わないように企画したものだ。しかし、戻れるかどうかというのはその人それぞれなので難しいのだ。公共スペースでは最大公約数を狙うが、それに漏れる人も必ずいることを経験値として持たねばならいなのだ。プロとしては。
駐車場から地下のコンコースにやっとでる。すると、冒頭写真の大通り。なんとなく「丸ビル」の近くにいるらしいとわかるが、閑散としていて、葉山の田舎ものは浦島太郎状態。近くにあったインフォメーションサインを見ると、どうやら丸ビルと新丸ビルの中間地点の地下1階にいるらしいことがわかる。私は小一時間たばこを吸っていなかったのでそろそろと喫煙場所を探すことに。いきなり地上に出てたばこをくわえて御用にはなりたくない。かといって勝手がわからない。さっさと地上に出て、丸ビル内の受付嬢に聞く。「喫煙場所はどこですか?」「大変申し訳ありません。この建物にはありません。カフェなどのお店かあるいは新丸ビルの5階と7階にあります...」「はああ。」で新丸ビルに向かう。一度、外に出るがたしかに誰一人として路上喫煙者はいなかった。都会は進化しているなあ。と思いながらもめんどくさいとも思った。(都会がめんどくさいのか、喫煙がめんどくさいのか。どっちもだな。)
首都高銀座で降りて東京駅北口周辺まで。とてもきれいになっていた。15年以上前サラリーマンの時に行き交っていた街とはずいぶん違う。こぎれいになったというか、丸ビル周辺はきれいになって犬猫じいさんばあさんが歩ける街では無くなっていた。生活感が全くなくなっていたということ。じゃあ、15年前から20年前はどうだったかというとそれほど馴染んでいたわけではなかったのでよくわからない。しかし、大きな声で言えることは七夕の当日だというのにそれを感じさせる気配が全くなかったということだ。クリスマスイルミネーションだけではなく、日本の季節行事くらいはしっかりと演出してほしいかなと思った。いろいろある。正月。節分。ひな祭り。端午の節句。七夕。などなど。伝統行事を伝えていってこそ、伝統ある東京駅周辺なのではないかと勝手に思ってみた。都会にいながらも「あああ。今日は七夕なんだ。」としみじみ思えるような空間のしつらえができてこそ本物だと思うのだが。気配も感じられなかったことが寂しかった。普段私がやっている住宅デザインの基準とはかけ離れたところで物事が決まっているのだろうなと思う。ある意味、これは対極のデザインなのだろう。それは私がやっていることが、限りなく建て主である人間に近く、地域に近く、自然(季節)に近く、古来から日本が持っているわびさびを形にしていくというしつらえデザインを極めたいからであり。
●2007.07.07(土)
東京丸ビルに短パンアロハで行こうとすると、それはいかんよとたしなめられる。その格好が通じるのは「葉山のみ!」。で。ジーパンをはく。それぞれの感性の人がいて面白いと思うのが葉山かも。東京はそんな変な人がいたら白い目で見られるのか。そうでもないと思いつつ。素直にジーパンに履き替えた自分が情けない。
●2007.07.08(日)
工事が始まったD邸の打ち合わせ。工事契約が基本設計の見積もりで締結したために実施設計での差額の見積もり打ち合わせ。打ち合わせ後、建て主、我々、工務店社長とふらりと森戸海岸海の家にランチ。かれこれ30年くらいになる海の家「Oアシス」に。毎年メニューが変わるので、適当に「カレーランチ2種盛り」を注文。それぞれ、タイ風焼きそば、なんやかんやをたのむ。私は席取りで砂浜のテーブルで待っていたのだが、工務店社長の宮原さんは、ぬわんとカレー2種盛りではなく。カレー二皿。やる気満々。思わず笑ってしまったが食べ始めると彼は正解。インド米のカレーは二皿でも足りないぐらい。いつものとんかつや後楽にしておけば良かったか。でも、オアシスのゆるい空気感は贅沢もの。
●2007.07.09(月)
最近当社の休業日は、月火。と決め込んでいると。9時前にぴんぽん。ああああ。デジタルJCOMにしたときの不始末でまだ解決していない件のアポ。顔も洗っていないのであたふた。この件は今年の2月中旬からやっている。今月初めやっと解決窓口が決まった。5ヶ月である。不用意に外壁に穴を開けてしまった落とし前をどうつけるのかということ。デジタル回線を引くのに必要なことであれば容認。しかし、事前説明も無く勝手に外壁に露出配線されてそれをたしなめると内部配線だけですんでしまった。ならば、外壁にもんだビス穴および下地の防水シートを復旧してほしいというもっともな要求だけ。それが5ヶ月を経過しようとしている。今回の経験は同じ轍を踏まないように建て主にアドバイスできると思うので根気よく経過をしかとメモっているのである。
●2007.07.10(火)
朝一番で地鎮祭。どこでボタンの掛け違いがあったのかわからないが、メールのやりとりが芳しくない。あるお客様から教えられた「中庸と寛容が大切」を反芻。1分でも遅れたくないので1時間前には現場に着くように出発。予定通り8:50には到着。10:00地鎮祭無事開始。11:30からファミレスで3時間。コスト調整の打ち合わせ。まだ、先が見えない。これはいつものこと。正念場。それから、第3京浜を下り、葉山の現場へ。着くなりいきなり上棟式。予定以上に仕事が進み、我々を待っていたらしい。最近は振る舞い酒を飲み酔っぱらうよりも、建て主と職人さん達がコミュニケーションできるほうが良いようだ。それは酒ではなく、建て主の心遣いと現場の気持ちが潤滑油。良い時間を過ごす。
●2007.07.11(水)
一昨日夜。電話があったようだ。最近、21:00には消灯することが多い。残業分は朝に回し新聞配達前から仕事をすことも。なので、21:00過ぎに電話は通じないと思ってくださいませ。マックで銀行手続きをしようといつも通りにキーボードをたたくと前に進めない。そういえば、4月頃、三井○友銀行の○△ですけど、アップル社と交渉しているんですがなにぶんうまくいかないものでと電話があった。私は「しっかり交渉してください。Macでアクセスできなくなると困りますから」と応えていた。結局、BootCampでWinOSを稼働することに。OSを仕入れ、夜更けまでかかりMacでWinXPを駆動し銀行にたどり着く。やれやれ。
●2007.07.12(木)
我が事務所に大挙6名での打ち合わせ。録音機器を用意する。きわどい打ち合わせの際は言った言わないにならないために録音しておくのが常套手段。しかし、録音しますよと宣言しない限りいざとなったら有効にならないらしい。また、デジタル録音の場合は裁判ではダメらしいということもあり、アナログ録音機器をこれ見よがしにテーブルに置き打ち合わせは始まった。「録音しますよ」とは言わなかったが、スイッチオンの瞬間を相手上司はしっかり見ていた。誰もスイッチオンに文句を言わずに話が始まる。結果、その録音を聞き返すこともないだろうなあという程度で話が終わる。やれやれ。不動産の売買は一生になんどもあるかないかのことなので門外漢の我々も慎重にならざるを得ない。同じ経験は一つとしてないが、よくもまあこんなにいろんなことがあるものだとこの件は良い経験をさせてもらっている。我々の使命は建て主にとって望むすまいに近づくためにノウハウを提供すること。それだけだ。建て主の明るい未来に向かってディレクションするのが我々の使命なのだ。それ以外はなにも望んでいない。
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