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ラジオを聞き流していたら『地震保険に関して税制が変わり控除が受けられる』と流れてきた。聞くと、所得税で年間5万円、住民税で3万円控除されるという。知らなかった。気になったのでネットでさくっと調べると出てきた。やはり今年施行されるようで、火災保険加入者に対して地震保険加入者が2割程度にとどまっていることを国が促進しようということらしい。ちなみに私は地震保険に3年前に加入した。

シリーズ「H18年度税制改正」7〜地震保険料控除(野村不動産アーバンネット(株))
http://www.nomu.com/column/vol151.html

地震保険控除(週間節税美人)
http://www.tamagoya.ne.jp/tax/tax190.htm


約10年前、我が家を新築したときは、いずれ来る大地震に備えておこうという気持ちはあるものの地震保険に入るまでの心が決まっていなかった。が。2004年10月の台風直撃直後に考えが変わった。それは築後7年目で始めて出会う台風。我が家は南に山がありそれまでの台風は山が守ってくれていた。神奈川の南を通過する台風の基本は南風。めったに北から風が吹くことはない。2004年10月の台風は違った。北西から25m/sの風雨。夜おびえながら風に揺れる3階の居間で真横に疾走する風雨をにらんでいた。翌朝すまいを見渡すと、木製サッシュ、パラペットの笠木、薪ストーブの煙突に損傷を確認。横浜ではトラックが風でなぎ倒されていた。以前、火災保険に風水害の被害にも保険金が適用されるとある工務店社長から聞いたことがあった。このことはあまり知られていない。一般呼称は火災保険なので風水害に適用されることは気がつかない。最近は、この風水害の保険をはずして火災保険料を安くしている商品もあるらしい。経験からすると火災で保険が適用されるよりも風水害の可能性の方が高いので、風水害ははずさない方が得策だ。

その工務店の社長から聞いたとおりに、火災保険会社に連絡。私の加入している総合火災保険もやはり台風被害は適用されるようで、補修の工事見積もりと被害箇所の写真を送るように言われる。この時点で大切なのは、被害箇所をしっかり限定することらしい。(←これはノウハウ)銀行ローンを組むときに35年ローンの期間中有効な火災保険を一括で支払ったのだが、被害箇所が同じでなければ何度でも保険がきくらしい。35年間。ローンを支払っている間台風被害があれば何度でも保険金で修理可能ということだ。ただ、同じ場所の修理は難しいと聞く。結果として、35年分支払った火災保険の4倍ほどの修理費をすべて火災保険でまかなうことができた。保険のありがたさを身にしみて感じたのだった。その直後の2004年10月末、新潟中越地震が起きて心が決まった。

自分で設計した建物なので、地震で倒壊するとは考えていない。そのように設計している。しかし、隣家が地震で火事になってこちらがもらい火してすまいを失ったとき、あるいは、建築基準法で想定している規模よりも数倍大きい地震が来て居住不可能となったとき。火災保険は適用されない。保険のありがたみをしみじみ感じたので即地震保険加入を検討開始した。地震保険は火災保険でまかなえる保険金の半分しかかけられない。つまり、3500万の火災保険をかけている我が家は1750万が地震保険の限度なのだ。地震が来て我が家が火災で焼失、あるいは倒壊してももう一度同じ空間規模を確保することはできないのだ。理不尽。なんのための地震保険なのだ。と思う。その思いを我が家の火災保険担当者に相談。すると、もう一度、3500万で建て直すためには、家財保険を1750万分掛けておくのが良いのだと提案してくれた。もちろん、地震による火災などで家財も無くなってしまうが、地震保険と家財保険の保険料で建物分はそっくり再起動させることはできるらしいのだ。私は即断した。

私が設計したお客様、少なくとも2004年以降のお客様にはこのお話はさせていただいている。なので、その話を聞いて地震保険に入るか否かはお客様の判断。それは自由意志。また、台風で壊れるような設計はしていないが、よそから飛んできたもので壊れるようなことは簡単に想像できる。そんな場合でも火災保険で修復できる。できるだけ火災保険もけちらずに風水害も適用される火災保険に加入することをお勧めする。私の場合は、銀行ローンの担当者にうながされるまま、ローン契約時に火災保険の書類にもハンコを押したのだが今では良かったと思っている。銀行が勧める火災保険に入るだけではなく、建て主の意志で自ら選んだ火災保険会社に加入することも可能だが、その際もけちらず風水害も適用される総合保険に入る方が良い。そして、地震保険&家財保険にも入ると良いだろう。税制上の優遇もされるようになってきたらしいのでなおさらだ。先週、中越沖地震があったばかり。今度こそ、地震保険の料率が日本で一番高い、東京、神奈川、静岡に大激震が走るかもしれないのだ。


●2007.07.13(金)

FMで「13日の金曜日。そして台風直撃!」と何度も騒いでいた。ちょっとしたハプニングはわくわくするが、今回はわくわくどころではないらしい。沖縄、九州から本土南岸を大型台風がなめていくらしい。福岡のすまいは大丈夫か...静岡のすまいは大丈夫か...湯河原の...小田原の...と頭の中が騒いでいた。そうそう。一番近い葉山の現場は上棟したばかり。現場に急行。普通ならば、骨組みそのまんまの現場が、大工のすばやさですべて外部は下地で覆われていた。サッシュも入っていた。ほっとする。


●2007.07.14(土)

大型台風直撃予想で、打ち合わせ予定を順延。葉山でも土砂崩れがあり付近住民は避難したらしい。我が家から見える逗子海岸も白波が立っている。ヘリコプターも飛んでいたので、海で事故があったに違いない。落ち着かない日を過ごす。


●2007.07.15(日)

朝、ラジオを聞いていた。公開生放送のその番組で、あっ今地震ですね。とアナウンサー。そのうち速報が流れますのでご注意ください。と。渋谷のNHKホール。私も揺れを感じるのかどうか身構えた。揺れなかった。しかし、ラジオから即座に。新潟方面で地震がありました。と。その後の話を総合すると、東京ではかなり地震を体感したらしい。葉山では体感できなかった。多摩川あたりを境に大きく体感震度は異なるのだろうか。それにしても、台風による大雨の後の地震。土砂崩れが心配だ。

●2007.07.16(月)

台風で非日常になった場合には順延しましょうと言っていた打ち合わせが無事終了。基本設計を終え、コストをすりあわせる打ち合わせ。完成までのタイミングもあり、順延にはできない。ホッとする。ざっくり2割強のコストダウン。いつものことなので粛々とすすめる。なかなかスリ逢わない。最大限、空間の確保を前提に、設備、仕上げを最小限のコストでやることに合意。やはり、空間の縮小はできるだけ避けたいという建て主の希望に添って調整していくことになる。細かいことは時間と努力が解決してくれるが、方針の決定はゆらがない方が良い。その方針に向けて、設計者施工者一丸となり突き進むから。

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