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今年、6月20日に建築基準法改正があった。実務者からすると100年に一度あるかないかの大改正である。姉歯事件の大功績。先週、都内のある行政で。改正はクリエイティブな自由度を狭め、デザイン的にはより不自由な環境になっていると不満をぶちまけた。建築指導課担当課長「そうなんですねえ。事件があるまでは緩和政策で自由度が増していく傾向にありましたが、ここにきて一気に逆戻りですねぇ。行政としては、きわどい判断を下す場合、安全側に判断するしかないですね。こちとら行政としては......」建築基準法の判断が微妙な場合は行政では安全側にしか判断しませんということ。『民間検査機関に行ったらどうですか?』と笑顔の向こう側から聞こえてきた。そりゃそうだろう。設計者たる建築士の免許証のコピーを添付して申請側の身分をはっきりしましょ。というのが今回の大改正の骨子だ。確認申請を受けて確認しましたと書類をおおやけに出すときに、東京都何々区の建築指導課だれのだれべえが書類にハンコを押しました!とやらなければ公平ではない。それがたいへんなことだと今更ながらわかったのだと言うことだ。

不満をぶちまけるよりも実務の遂行を遅遅とさせたくない。民間検査機関に行くと行政や民間の検査機関がマニュアルにしている書類を伝授してくれた。前述の行政ではそんな虎の巻は教えてくれない。さすが民間だ。それを教えることで自分たちの手間が省けるということだろう。ギブアンドテイクだ。早速、6月19日に発行された官報号外を仕入れる。それには、建築基準法改正後どの建築物に対してどういう図面が必要でそれに対してどのようなチェックをするのかということが詳細に記されていた。しかし、それは法文。それを読み込むのに丸3日かかってしまう。幸い、法改正に対処するために新規に法令集を買いあさっていたので3冊くらいを赤ペン入れながら読みこなすことができた。が。いまだピンとこないのが正直なところ。

この建築基準法改正官報号外を仕入れる直前。ある神奈川県の行政を訪ねていた。『我々も正直どうしたらいいのかわかっていないんです。なので、申請があったら一緒に勉強するつもりでやりましょう』と言っていた。なんだか不思議な感覚。建築確認申請する方も、受け付ける方も実態は手探りだ。それは手続き的なことが大半だが、実際の建築基準法の判断が安全側にしか傾かないようにはなってほしくないと思う。少なくとも担当者レベルでの判断というのはなくしてほしい。


●2007.07.17(火)

真空管プリアンプの修理終了のメール。昨年末、不意に出音の調子が悪くなり自分なりにいろいろ手を入れていた。しかしながら、素人の手探りではダメと判断し、修理を依頼した。ある部品が原因で正しく音が出なかったのだという結果のメールが届いた。まずは正しく音が出るようになったのだから良しとしよう。と快くメールを読む。


●2007.07.18(水)

私は薪ストーブを使う。結果として冬に我が事務所で打ち合わせをすると薪ストーブを導入したいというプランになる。それは必然。経験的には1/3くらい導入している。設計者の私が薪ストーブ業者に設計図面と見積もりを下請け依頼するのだが、建築基準法に合法しない図面と見積もりが来た。詰め寄ると、現在その図面が合法になるように国土交通省にアメリカ筋から働きかけているというメールが届く。しかし、まだそれは合法にならないと。では、設計者の私が建築基準法違反を知りながらそれを施工を指示した場合、私がお縄ちょうだいにならないようにあなたの会社では担保してくれますか?とメールすると、それはできませんので、今回のことはご勘弁を。とのこと。これって、一歩間違うと大変なことになる。


●2007.07.19(木)

メールでやりとりできるようになって格段にコミュニケーションが進むようになった。しかし、これがなかなか難しいと使い込むにつれて痛感している。会って話し合えば、簡単に終わることもメールだとほころびがほころびを生む。お互いに歩み寄る姿勢があれば問題ないが、どちらかが自分の主張を通そうとすると難しくなる。業務連絡のメールは端的に。詳しくは会った時にしましょうというのがコツかもしれないなあ。

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