現在、横浜で計画中。
免震構造の採用を検討している。
液状化する可能性がある土地の場合免震構造は費用がかさむことを学ぶ。
その計画地が液状化する可能性があるか調査を開始。
構造担当者と電話で協議。
所轄の行政に近隣地盤の資料はあるはずなのでまずはそれを取り寄せることで電話会議終了。
私のネットワークで近隣のボーリングデータを仕入れる。
それと同時にインターネットで検索。
日本でいちにを争う厳しい建築行政横浜市。
もしかしたら、横浜市がインターネット上で液状化情報を公開しているかもしれないと頭をよぎる。
さすが、横浜市。ぐぐると『横浜 液状化マップ』で筆頭に情報がでてきた。
http://www.city.yokohama.jp/me/anzen/kikikanri/ekijouka_map/
つぶさにチェックするとぎりぎり液状化範囲に入っている。
大きな集合住宅や高層ビルではコスト的にペイできる可能性があるが、個人住宅では費用負担が大きすぎる。
免震構造をあきらめ、従来の耐震構造で計画を進める方が建て主にとっては利益が大きいか。
もう少し、構造担当者と総合的に協議する必要があるだろう。
液状化マップと近隣ボーリングデータを構造設計者に送る。
出てきた回答が、やはり第3種地盤とのこと。
『やはり、免震の設計は告示式では対応不可のため、時刻T応答計算を要し、審査は建築センター等に持ち込むことになります』とファックス。
これは、建築確認審査に時間と費用を要することを意味しており、工事費以外に耐震構造に比べて、確認審査期間で数十倍(耐震構造一ヶ月に対して半年から1年)、費用も数十倍以上かかることを意味している。
このことは、厳しくなった建築確認申請だからなのではなく、免震構造そのものがまだ一般化していないことを意味している。
地震国日本ならではの免震技術を発展させるためにはまだまだ時間がかかるのだろう。
●2007.11.30(金)
都内でのすまい。工事中。このすまいはスエーデン式地盤調査の結果、地面表層部だけでは3階建てを支持できないという結論。その調査結果に基づき基礎を設計。その際、国が認めている認定杭を使うとあらゆる特典がついてくる。確認申請が認定書添付のみでオッケー。工事中の検査もスムース。しかし、この認定杭がコストを圧迫する。私のネットワークで仕入れた二つの認定杭の見積もりはどちらも150万円。施工業者が提案してきた認定外の見積もりは70万弱。この現場は進入路が狭く2M弱。採用できる認定杭も限られる。非認定杭では確認申請に時間がかかるし、審査側の扱いもそれぞれ。しかし、それらを総合判断する。コストを優先し、非認定杭は地盤改良だという解釈で確認申請を無事通過させる。(審査機関によると地盤改良は工事後耐力を試験し、設計耐力が出ていれば良し。と言う見解だった)その際、杭打ち工事の後耐力試験が義務となる。工事開始。杭による地盤改良工事後早速耐力試験結果を確認。設計耐力が出ていることが確認でき試験結果報告書が手元に届く。やれやれ。かなり心配していたことだけにホッと胸をなで下ろす。ここの土地は支持地盤が?層ということであり3階建ての建物はであれば充分不等沈下はしないであろう。耐力試験結果が無事に確認でき、行政による中間検査が無事に通過するということよりも建て主に安全な建物を提供できるという安堵感が大きい。認定杭を使うことで80万コストアップを建て主に要求するより、結果として選択は間違っていなかったと思いながら、中間検査の申請書をまとめにかかる。
●2007.12.01(土)
朝一番。無事に請負契約が成立する。この建て主とはじめてお会いしたのは2005年。土地探しの時点からお付き合いし、一度契約した土地に問題があり、その契約解除にも立ち会っている。やっとここまできたかと無事に完成することを願う。すまいづくりは仕事としてとてもやりがいがある。それは最終的に使う方とお金を出す方が同じだから。言い換えれば、本音で会話ができるからだ。すまい以外の建物は、お金を出す人(その建物に投資する方)と実際に使う人(マンションであれば住む人、オフィスや商業施設であればテナント←消費者、生活者ではない)が違う。ということは、設計者は投資家の顔色を見て設計するのであり、最終生活者のよかれを思って設計することがすべてではない。その点、すまいづくりは投資者と最終生活者が一致していて、すべてにおいて「よかれ」の本音で会話ができるのだ。刻々と刻まれていく我が人生時間。できるだけ充実した時間を過ごしたいと思うのは人間の本音だろう。ネットで建築家の村田靖夫さんが亡くなっていたのを知る。直接的には何も接点はなかったが、昨年の新建築住宅特集でアルバーアールトのような空間にシフトしていらっしゃるなあと思っていた。その矢先のことである。62歳だそうだ。一刻一刻と時間を大切にしたいと身にしみる。
●2007.12.02(日)
丸一日。都内のすまいの中間検査の申請書つくり。この申請書を明日の申請日締め切りに宅急便で送るのだ。民間確認期間だからこれが許される。一般の行政であれば郵送受付は許されない。夕方、申請書類をまとめて終わりクロネコヤマトへ軽トラで走る。助手席の相棒に『民間機関は郵送受付ができるからすばらしい進歩だよな。それに比べてF沢市役所の建築指導課は...』と話しかけると、『はじめてERI藤沢支店に確認申請を出したとき、訂正内容をファックスで送ってきたときにはそれはそれはびっくりしたねえ。時代は変わっていく...』と。そうだ。先月。F沢市役所の審査担当に電話で確認申請の訂正内容をファックスで送ってくださいと伝えると『窓口に来ていただかないと説明できません!』といってきた。旧態依然の行政だ。民間がすべて良しというわけではないが、かちかちになってやっていると時代に取り残されてしまうと思うのだ。というより税金はどこへ行っている?と言いたい。日本で??を争う厳しいY浜市がインターネットであらゆる建築行政情報を出しているのは当然の税金負担者利益だ。F沢市が厳しさと融通のなさを納税者に押しつけるのであれば、それに見合った情報提供があっても良いのではないかと思う。
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