早いもので2008年になって10日が過ぎようとしています。
遅まきながら、あけましておめでとうございます。この年末年始というイベントはなにか今までのことをリセットしてくれるような趣がありますね。たった一日。12/31から1/1に変わるだけで、時間的な流れは通常と全く同じなのに不思議と気持ちをあらたにしてくれます。
やはりそんなとき脳裏をかすめるのは今年はどういうように生きてみようか。ということです。私は『すこし周りを見る余裕をもって生きてみよう』ということが脳内をよぎりました。もう少し犬社員春呼のことを気遣ってあげられていればという痛恨の思いからです。自分のことを一番に考えるのは誰でもできますが、周りのことを少しでも考えることは誰にも難しいことです。それをせっかく春呼から教わったのですから、今年はそれをやってみようと思ったわけです。
●2008.01.01(火)
初詣。葉山森戸神社は混んでいるだろうと家族で至近の熊野神社へ。ねらい通り。誰もいない。思う存分、神様に今年のお願いをする。その足で、丼君の家に行き。年始の挨拶&だらだら呑み。なかなかいい正月。
●2008.01.02(水)
一路。岡山へ。天気予報を確認すると名神大津あたりで雪マーク。なので進路を南下させ名阪国道をめざす。名阪国道半ば調子よく進んでいた帰省。事故渋滞にはまる。8台の玉突き事故で2時間予定がずれル。こんなときに事故るなよと思うが、巻き込まれなくて良かったとも。
●2008.01.03(木)
都合9時間の疲れも癒されぬまま一日が始まる。かみさんのご両親、義理の妹夫妻と一日。妹夫妻と一緒に5人でお墓参り。江戸時代からのご先祖のお墓は興味深い。新しいお墓は御影石でしゃんとしているが、一番古いお墓は朽ち果てて石ころだけになっている。そのまえで天を仰ぎ、数百年たっても参ってくれる人がいることはうらやましいことだと感慨にふける。私はどこに入るのだろう。
●2008.01.04(金)
せっかくの岡山。日本で記録ものの黒鯛がねらえる場所のすぐそば。行かない手はない。明け方着を目論み、愛媛に向かう。5時間の行程。朝4:00に宇和島先の北灘に到着。2時間ほど寝袋にくるまり明け方を待つ。9:00。真珠筏にカセをつけてもらい日本記録へ意気揚々と釣り開始。ちなみに黒鯛の最長寸は70.5cm。60cm以上は一生に一度釣れるかどうかだ。50cm以上は年無しといってめったに釣れないので釣ると「おめでとう!」と言ってもらえる。
●2008.01.05(土)
今年の生きるコンセプトは「周りを見る余裕をもとう」。昨日は潮の流れが速かったらしく、参戦者20名ほど、ほとんど釣果がなかった。葉山でも釣りはできるだろう!なんでわざわざ葉山から1000Km離れた愛媛まで行くのか。高知、香川、山口、福岡。今まで行った行った。何故か。それは黒鯛を通じてその土地の空間が体験できるから。特に湾内で釣ることが多いチヌ釣りはその土地の地域放送(特に時報)を否応なく聞いてしまう。これがその地域独特で郷愁をかき立てられてしまうんですよね〜。この日は私がトップで51cmの年無しを筆頭に5枚。赤いのが1枚。ウデがへし折られてしまうのではないかと思うような引き込みを耐え、40Mの底から黒鯛を引きずりあげた余韻に浸り岡山へ。
●2008.01.06(日)
一昨年の愛媛正月釣行はボーズ。今回は正月早々さい先良く、年無しにも出会え気分上々。疲れもどこえやら。新春お墓参り第2弾へ。4年前、茅ヶ崎辻堂で設計してお引き渡ししたお客様が突然亡くなった。郷里が岡山だと聞いていたので、帰省したときには墓参りしたいと思っていた。4年前奥様から聞いたお墓の場所。ざっくりとしか聞いていなかったが、迷いながらもHさんがきっとに案内してくれたのだろう無事に到着。お酒が好きで大きな人だった。墓前に缶ビールが供えてあった。次に来るときにはうまい酒を持ってこよう。
●2008.01.07(月)
午前中に岡山出発。往路は気がせいているせいか目的地にはなかなか到着しない。それにくらべて復路は気持ちにも余裕がある。神戸、大阪、京都、静岡。それぞれそこに住んでいる友人のことを頭に思い浮かべながらハンドルを握る。すこし周りを見る余裕が出てきたか。なぜか皆、犬社員春呼の友人達。
●2008.01.08(火)
朝一番で金沢八景。設計中の計画地でボーリング調査。行くとすでに15Mほど掘り進んでいた。状況を聞くと想定していたよりもずいぶんと浅いところで支持層が出ている模様。黒鯛の51cmといい今年はなにやら悪く無さそうだ。夕方。青山ブルーノート。ハンクジョーンズのライブ。私の大好きなおじいさん。何が好きかというと、ピアノマンの彼はトリオでやる場合、ベースとドラムスをかなりしっかり引き立てるのだ。自分が!自分が!というところが全くない。まあ、今年90歳になる大ベテランなのだからそうなのだろうと思うだろうが、彼は60歳の時からそうなのだ。
ハンクジョーンズのトリオで私が大好きなミュージシャンはトニー・ウィリアムス(ドラムス)。ハンクジョーンズの手にかかったらトニーはもうすごいことになる。大好きだ。ベースは、ゴリゴリやるレイ・ブラウンがお気に入り。ハンクジョーンズとレイ・ブラウンのトリオはたまらない。青山について、BOSSを呑みながら2杯目おかわりをした後、「tonight surprize guest! SADAO WATANABE!」ときたからびっくりした。セロニアスモンクのナンバーやらなにやら、チャーリー・パーカー顔負けのアルトを叫んでくれた。今年は正月早々良いことばかり。小さな運を使い切らないようにしないと。。
●2008.01.09(水)
昨年はここ20年以上も車の保険にお世話になったことがないのに4回もお世話になってしまった。当たり年ということなので、年末ジャンボを買った。その30枚を開封せずに売り場に持って行き、電光掲示板に目を見張った。くるかくるか!当たり年に買った3億円。900円なり。年末からあたり番号を照合せずに待ちに待った瞬間はあっけなくおわる。地道に周りを見て生きてゆこう。
●2008.01.10(木)
イエロートレペに赤鉛筆でエスキスをはじめる。なかなか見いだせない。ふと我が書棚で目にとまった『「いえ」と「まち」(鈴木成文他)』を読み始める。裏表紙に「佐山希人殿 恵存 初見学」とある。25年経ってはじめて読み始めるその内容は重い。今の私にジャブを連打する。家と町。その関係を忘れては、これからのすまいは設計できないだろう。プライバシーを尊重しすぎるあまり、町との関係、地域社会との関係が希薄になりすぎてはいないだろうか。そんな序文で始まる。一昨日久しぶりに青山まで電車で行ったが、東京は人間の住むところではないと再認識。新宿駅で人の流れを避けながら自分の道を行くのにどれだけ労力が必要だったか。人の流れが、ものの流れに見えてきてしまう。自分にぶつかってくる人の流れがものや自分の敵に見えてきてしまうのだから、都市の犯罪は起こるべくして起こっているのだろうと妙に納得する。都会の限界をまざまざと感じた。やはり人間は人間。ものではない。
▼ コメントする