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食卓に並んだ手料理を照らす、暖かな電灯の光。スイッチを入れればすぐに明るくなり、また暖色系の暖かみのある光を放つ光源として親しまれてきた「白熱電球」が、いま消えようとしている。

 2007年9月、政府は温暖化対策に向けた二酸化炭素(CO2)削減のために、「白熱電球の製造と販売を数年以内に中止する方針」との報道が伝えられた。以前から、省エネの観点で白熱電球よりも電球型蛍光灯を推奨する流れはあった。しかし、ここに来て白熱電球を排除する方向が明確になっているのだ。

 同様の流れは国外でも活発で、オーストラリアやアイルランド、また米国のカリフォルニアをはじめとする複数の州で、将来的に白熱電球全廃方針が定められている。白熱電球が世に登場してから百数十年にして、なくなるかもしれないのだ。

ビジネスメディア「誠」から引用


オフィスでは蛍光灯。住空間では白熱灯。特に家庭におけるくつろぎ空間では白熱灯は欠かせない。というのが、住宅設計ではごくごく一般常識。この豊かな住空間の常識を見直さねばならないというのか。マンションの夕景を見て、蛍光灯のついている部屋が多いと事務所が多く入居している可能性が高い。あるいは豊かにすまう意識の少ない人が多く住んでいるとみる。そんな指標もナンセンスな時期がすぐにやってくる勢いだ。

この選択は、住宅設計者にとって非常に難しい。白熱灯から蛍光灯に照明器具を選択するのは簡単だ。はたしてそれだけでよいのか。同時に燭台やいろりをデザインすること。つまり豊かに暮らすためのライフスタイル転換も同時に提案することが必要だろう。「キッチン内は蛍光灯&食卓はロウソク」で。あるいは「いろり端で炭火調理&ロウソクで食事。」あるいは、「太陽とともに起き、夕陽が沈むと活動をやめる。」電気エネルギーに頼らない生活をする。これって、ほんの50年ほど前の日本の田舎の生活ではないか。なかなか戻れないだろう。車だって「乗るのをやめるのが豊かな未来への今できること」と言われても「そりゃあ。無理だ」。地球温暖化抑制→豊かな地球の未来」は総論合意。「白熱灯から蛍光灯へ→豊かな住生活へ」の各論はわかりやすいが短絡的すぎる。

しかし、傍観しているだけではほんとにまずい。

地球温暖化が進んだ世界をあなたは想像できますか?
(チームマイナス6%のサイトより)を見るとなんとかしていかなければならないことが明白だ。やばいよまずいよと言っているだけではだめだ。できることをすぐはじめていく。できることからはじめていく。チームマイナス6%で建設業界でやらなければならないことの筆頭は使用電力の抑制とある。すぐにできそうではあるが、生活提案も合わせて考えていかなければ豊かな今の生活に直結しない。


●2008.03.15(土)

現在進めているスケルトン&インフィル住宅の打ち合わせ後その足で都内へ。大学時代の恩師の還暦祝い。その2次会で「200年住宅」が話題に。もっぱら、200年住宅が実現しはじめると建設業界の人あまりが問題になるという議論。住宅建設を儲けの温床としている輩は淘汰されていくことを望みたい。

●2008.03.16(日)

妹が岡山から来葉。銀行員の友人同士、東京で会ったらしい。日本建築学会の作品賞をとるってすごいことなの?と聞かれる。どうやらY浜銀行の友人の知り合いが作品選集に選ばれたらしい。すごいことではあるけれど、どのようにすごいのかを伝える言葉がでなかった。そういえば2008年の日本建築学会作品選集の筆頭に私が勤めていた前企業の先輩の名前。佐藤孝さん。企業を辞めた後、北海道の大学に籍を置いた。しばらく、建築雑誌で名前を見なかったが勇気をもらう。

●2008.03.17(月)

座間でのすまい。完了検査の申請。淡々と受け付け終了。午後一。民間の確認検査機関に事前相談。構造家N氏と行脚。現在進めている構造審査が適判にまわるかどうかの相談。鉄骨3階建ての仕様規定は満たしているので適判にまわらないだろうと計画を進めているが、確認受付機関で見解がわかれる。民間検査機関はどうやら申請者を見ながら審査するのではなくて、見解をおかみに問われたらどうしようという視点で根掘り葉掘り規定を満たしているにもかかわらず重箱をつついてくる。一応、適判にはまわらないように進めていくと見解をもらうがすっきりしない。その足で、Y浜市役所の構造担当へ。現状では行政が一番すっきりとしているかもしれない。仕様規定を満たしているので、適判にはまわりませんねと明快に返答。基本設計を今までの方針で進める。

●2008.03.18(火)

基本設計の最終コーナーの整理。確認申請を出す前に施工業者に概算見積もりを依頼。3社ほど施工業者に合い見積もりをお願いし、価格と施工業者を確定し、確認申請と実施設計を進めていく。今回の計画は、スケルトン&インフィル。スケルトンは鉄骨。インフィルはいつでも更新可能な木造ベース。しっかりとした躯体に人肌の木造を組み合わせる。工事費が予算にはまることを願う。

●2008.03.19(水)

完了検査。まだ外部の屋根付きベランダの木工事中。大工工事が丁寧で全体の工期を圧迫していた。雑に早く工事が終わるよりは、丁寧に扱うおかげでぎりぎりまで工事をする方がまだ良い。本来はどちらも工務店としてはNGだが、どちらかというと丁寧な方がありがたい。未工事部分は写真提出で完了検査を終える。

●2008.03.20(木)

氷雨。出がけに車のメインキーを忘れる。サブキーで現場に向かう。現場到着と同時にサブキーではエンジンが始動しなくなる。どうにもこうにもエンジンが始動しないので、ヤナセに問い合わせるとメインキーで始動してみてくださいと。葉山から座間までメインキーを届けてもらう。午後一から始まった引き渡し前の施主検査、19:00過ぎに終了。現場から見るはじめての夜景はとてもきれいだった。引き渡しまであと数日。最後の踏ん張り。この先は工務店の力量による。

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