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『おかえりなさ〜い!』が待っている空間だろう。普通にきちんと生活していく上で何より大切なこと。借家だろうが、持ち家だろうが、アパートだろうが、ワンルームマンションだろうが。関係ない。帰ったときに『おかえりなさ〜い!』が待っている空間。その空間はやはり本物である必要がある。本物とは血が通った、心が通じ合ったということ。勝手な仮想空間ではいけない。一人暮らしであっても、ネット空間にお帰りなさいは待っている。

昨日おこった秋葉原の通り魔事件は今日もひっきりなしに真相を明らかにするべく報道を繰り返している。たまたま事件に遭遇し命を落とした方々にはご冥福をお祈りするしかない。なんたることだ。今の日本がおかれた状況をかいま見た感じがして背筋が寒くなる。報道の一部から犯人は派遣会社が用意した場所に暮らしていたという。その空間の近隣はそこに誰が住んでいるか、どのような職業の人が住んでいるかわからなかったという。それは都会であれば当たり前のこと。その都会の常識が地方にまで行き渡ってしまっているとみる。犯人の生い立ちから最近までの報道。どこにも属せない人間としてのやり場のない環境に置かれた人間の怒りがこのような形で爆発してしまったような気がしてならない。派遣された会社におかえりなさい〜ご苦労様〜はなかったのか。そして住んでいた場所の近隣におかえりなさい〜おはようございます〜はなかったのか。ないのだろう。属するところがなかったのだ。現在の社会構造システムが生み出した犯罪と思えてならない。

属することを彼は放棄したのだろうか。まわりの環境が彼を属することを拒んだのだろうか。どちらでもないと思う。今の日本、暮らす人の意識は帰属するという気持ちが希薄になっているのではなかろうか。どこの空間も、誰も信じられない。安心できない。自分にとってどうでも良いこと、自分のためにならないこと、他の人がやっていることは関係ない。すべての思考行動基準が自分だけになっているのではないか。自分さえ良ければとは口に出さないが。あなたのために。君のために。なんて口から出ていても本心はどうだろうか。国の利益のために隣国に援助する。その被害を思うのではなく立場としての援助。自分は良いことをしているつもりになるための募金。『誰でも良かった』。最近、犯罪者から多く聞く言葉ではないか。

エコエコとここ2〜3日ほんとによくTVで流れてくる。すると福田首相が『低炭素社会づくり』宣言。やはり。日本が世界に先駆けて旗を振らなければならない事案はやはりそうだろうサミットへ向けて。しかし、バブル崩壊後おきているおかしな事件は、地球に属して、日本に属して、町に属して、家族に属しているにも関わらず、自分だけのことしか考えていないことに起因するのではないか。マクロな視点である地球のことを考えることは今では一般化しつつあるし、大切なこと。しかし、まずもっともミクロな家族の視点を見直していくことが大切なのでなはないかと考えさせられる。自分のまわりである家族(一緒に住んでいるいないは関係ない)、属する地域社会(誰にでも挨拶できる場所)、属する経済社会(仕事環境)、属する国、属する地球。そして行ったことないが宇宙。思いやる心=個人の意志はすべてにつながっている。どこに行ってもちゃんと『おかえりなさい〜。待ってたよ〜』と言い合える社会が無くなっているのだ。最低限、家族が玄関に入ってきたら『おかえりなさい〜』と言うことから始まると思う。

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居場所について考える


●2008.06.07(土)

私のじいさん恩師鈴木成文さんの文文日記無事に再会。今年81歳になるという。無事手術を終えたあと、さらに10年〜15年はスキー、自転車ツーリング、ソシアルダンスに精を出したいという。私の34歳上のおかた。恐れ入る。私の父母も75歳を超えた。健康なので私もずいぶん助かっている。私はそんな年齢まできちんと自分のことをやっていられるだろうか。暴飲暴食暴煙なんかがたたってしまうのでは...。

●2008.06.08(日)

日曜日はデスクワークにいっそう精が入る。電話はかかってこないし、どこに行っても混んでいる。なのでがんがんデスクワーク。メールが入る。健康診断で要注意の結果が出たので計画中断していた建て主から。精密検査の結果緊急ではないのでやるよ!とのメール。すまいづくりは体力気力がいるので心配していた。ローンはかりたもん勝ち。元気なうちにしっかりと借りてしっかり返しましょう。とにもかくにもすまいづくりは家族づくり。私もうれしい瞬間。『おかえりなさい』が待っている空間を探していきましょうね。

●2008.06.09(月)

基本設計真っ最中。意匠関係はほぼそろった。構造設計がなかなかあがってこない。本日夕方には来るということだった。午後からそわそわ。あわてても仕方がない。悠々として待つ。工務店に意匠関係はすべて送り、本日の仕事も終了しこのブログを書いていた。と。メール。来た来た。構造設計事務所からデータが届いたようだ。『待ってましたよ〜』という声掛けが大切だろう。社会は人間の気持ちひとつで成り立っている。

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