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今の生活に欠かせないインフラはなんだろうか。電気、ガス、水。このどれかが無くなったら生活できないのだろうか。中国の四川大地震、岩手・宮城内陸地震があった。当事者ではない私はこうして記事を書ける。当事者のみなさんにはがんばってくださいと通信するしかできない。明日は我が身と思うと居ても立っても居られない。

電気が無くなったらどういう生活になるだろうか。今書いているようなPCでのコミュニケーションは無くなる。PCが無いたった20年ほど前に帰ればいいのだろうができるだろうか。ガスが無くなったらどうなるだろう。つたない記憶によるとガス灯ができたのが明治頃だったので、150年くらいさかのぼった生活になるだろう。江戸後期か。水は必須だったので生物発生期からあったのだろう。枯渇しないで欲しい。車はいつから必須アイテムになったのか。

今日、東京ガスのAさんとそんなとりとめのない話をした。現在計画中のすまいでエコウィルを導入しようとしたのだが初期投資に100万近くかかってしまう。全体予算からどうしてもエコウィルははずれてしまう。Co2排出量は削減できるのだがなかなか予算に乗ってこない。そんな中、Aさんは私に食らいついてきたようだ。かつて、OMソーラーに勢いがあった頃、環境的な啓蒙活動をかなり行っていた。結果。環境的に理想を実現したい建て主は建築予算の中から大幅にOMソーラーに割いていったのだ。当時OMソーラーは導入すると一口250万。自然エネルギー活用にみな導入に大枚をはたいた。環境への取り組みのオピニオンリーダーになるべく投資した。そういう一般生活者の真意をくみ取らないと『エコウィル』『燃料電池』は普及しないだろうと勝手なことを話す。

この先、人間生活に必要なエネルギーはどうシフトしていくのだろう。少なくともすまいをこれからつくろうとする人は化石エネルギーに頼らず、できるだけ再生可能なエネルギーや素材(例えば、木(もく)、雨、風、太陽...)で暮らしていけるようにしつらえていく必要がある。薪ストーブは世の中の人全員が使い始めるとダメだけど少数派が枯渇しないエネルギー源で冬の暖をとるというのは化石エネルギーを使わないので良しとする。電気もガスも結局化石エネルギーに頼らざるを得ない。まだまだ枯渇しないだけありますよと言ってもサスティナブル・エネルギーでなければやっぱりやばいのではないかと思う。では、切り札はあるのだろうか。一般生活者の価値基準が環境軸にシフトしていくのがまずは大切か。実はすまいを造るときにはエコバックだけでは到底まかなえないほどのエコロジカル度が隠されている。


●2008.06.10(火)

現在見積もり中の物件。千手観音状態。図面が私の手を離れると関係各社から質疑のラッシュが始まる。みな一生懸命取り組んでくれているのを肌で感じる。合い見積もりのあと業者さんが決まりそれからが本番だ。施工業者1社ととことんまで詰めていく。そこから建て主の欲しい本物のすまいが見えてくる。建て主。私。施工業者。みな真剣勝負。かかわる業者さん皆同じ。良い感じ。

●2008.06.11(水)

今は多くの物件を抱えていてそれぞれのことが散漫になっている状態ではない。抱えている物件に真摯に向き合える。こういうときこそメディアに対してもしっかりアプローチしておかなければならないだろう。今まで私のクライアントになってくれたお客様には申し訳ないが、雑誌への掲載依頼はほとんどしたことがない。雑誌や建築笑に対して欲がないのかと言えば嘘になるが、それだけではないという思いもある。生活者と向き合いそれにふさわしいすまいを造ろうとするプライドとメディアに媚びてたまるかというプライドが共存しているからだ。変だけど...。

●2008.6.12(木)

LEDを使った照明器具メーカーが来訪。最近は私も常夜灯に使うことが多い。イニシャルコストは高いがランニングコストが低いから。LEDの耐用年数は蛍光灯の5倍ほどらしい。白熱灯が環境的な視点から生産中止になること必至のなか、LEDが台頭するのか。ベース照明としては明るさに問題はあるが、エコロジカル度は高い。

●2008.06.13(金)

突如、元上司からスリランカに行ってくれないかと連絡。博物館の展示の仕事。春先に打診されていたので快諾。7月後半から1ヶ月ほどだという。諸業務のスケジュールを頭で巡らすとかなりきびしい。ネットとメールを頼りにスリランカで諸業務がこなせるか。心配。

●2008.06.14(土)

10:00。引き渡し後1ヶ月経過したすまいに訪問。直前、岩手で地震があったとTV。葉山でもすこし揺れたらしい。地震は怖いがしかたがない。地震に耐えうるように建築も生活スタイルも備えておくしかない。関東でも大地震がおこる時期をとっくに過ぎている。

●2008.06.15(日)

スリランカ行きはJICAのコンペだという。まずはコンペに出すためのプロフィールをまとめる。サラリーマン時代から現在までの博物館や資料館関係の業務履歴を整理する。内心困ったことになりそうだと気が重くなる。

●2008.06.16(月)

コンペがとれたら一緒に同行する予定のS氏。グアテマラから電話。ぶつぶつと途切れながら地球の裏側と交信。同じ大学の先輩だという。今後2年ほどで1ヶ月単位の出張を7回程度するらしい。そういうアナウンスがなかったので困惑。不可能だと判断し、元上司にその旨を伝えると快諾してくれた。やれやれ。平常心に戻る。

●2008.06.17(火)

岩手・宮城内陸地震。国内最大級の地滑りが発生しているという。建物の全壊、全半壊は少なかったようだ。葉山近辺でも地滑り危険地区がある。過去、その地域内ですまいを設計した。県の土木事務所の担当者はかなり神経質に建て主に対してそういう地域であることを伝えるようにと説教された。大雨が降るたびに気になるが、ヘクタール単位で地面が動いていくので恐ろしい。無事を念ずるしかない。

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